なんと毒見は3回も!?一生ずっと”冷や飯”を食わされ続けた江戸幕府の将軍たち【下】 (3/3ページ)
理髪作業に当たる者は常に自分の表情を見ている訳で、つい顔を顰(しか)めようものなら、緊張のあまり手許を狂わせかねないため、いかなる時も平常心で食事をしなければならない……ここまで気を遣わされると、どっちが主君か分かりません。
先ほど紹介した通り、政務が多忙であれば昼食はお預けを喰らい、政務がまだ残っていれば夕食後だって残業します。あるいは午前中の座学に学者から宿題を出されていれば、それもやらねばならず、寝る直前まで自由な時間など皆無だったようです。
終わりに作るのも大変、提供するのも大変、食べるのも大変……とかく大変づくしだった徳川将軍のお食事に比べると、私たち現代庶民はずいぶんと気ままに、美味しくご飯が食べられているものだと実感します。
食事と同時進行で顔剃りはしたくありませんが、一粒の米や一杯の水に感謝を忘れぬ姿勢を見習いながら、これからも温かいご飯を食べたいものです。
※参考文献:
杉浦日向子『一日江戸人』新潮文庫
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