4月16日は春の土用の丑の日。平賀源内が「うなぎ」と土用の丑の日とを結びつけた理由とは?

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4月16日は春の土用の丑の日。平賀源内が「うなぎ」と土用の丑の日とを結びつけた理由とは?

2020年の夏の「土用の丑の日」は7月21日、8月2日の2回ありますが、土用は夏だけではなく、春夏秋冬それぞれにあります。ですので今年の「土用の丑の日」は、冬が1月23日、春が4月16日と4月28日、秋が10月25日と11月6日。そして前述した夏の土用の丑の日です。

日本には昔から夏の「土用の丑の日」にはうなぎを食べる習慣が定着しています。そのため、多くの方がうなぎの旬は夏だというイメージがあるのではないでしょうか。

食欲が衰える夏の暑い時期に旬なうなぎを食べてスタミナをつけるという目的から、夏に訪れる「土用の丑の日」にはうなぎが好んで食されてきました。そんな習慣もあり、なんとなくうなぎって夏が旬だというイメージを持っている方も多いことでしょう。

ところが、本来はうなぎの旬は冬なんです。うなぎは12月には冬眠の時期となることから、その準備のため秋になると栄養を体内に蓄えていき、脂が乗りだします。そのため、うなぎの旬は冬眠前の脂が乗る冬の時期ということになります。

しかし、近年ではうなぎの主な消費は養殖の鰻ということもあり、水温や餌の量を管理して夏場に合わせてうなぎの成長と脂の乗る時期を調整できるようになりました。

ではなぜ本来は冬が旬なはずのうなぎを、夏に食べる習慣が定着したのでしょうか?

たしかにうなぎを食べると精がつくといわれていますが、わざわざ冬が旬のものを夏に食べなくても他にも精がつく食材はいろいろあります。しかも、冬に食べれば夏よりももっと美味しく食べられるのですから。

それにもかかわらず、旬を無視してまでも夏にうなぎを好んで食べる習慣が定着したのは、江戸時代中期の有名な学者・医者・芸術家・発明家であった平賀源内の知略が関係していたのです。

江戸時代の発明家・平賀源内の”下ネタ狂歌”がけしからん!実にけしからん(笑)

では、平賀源内と「土用の丑の日」には、どのような関連があるのでしょうか?

平賀源内と「土用の丑の日」

平賀源内肖像

江戸時代、夏の暑い時期にはうなぎ屋は肝心のうなぎが売れず困っていました。暑い時期は食欲が減退し、うなぎの蒲焼などこってりとして味が濃いものはあまり食べる気になれないのは今も昔もかわりません。

現在のようにうなぎは夏というイメージも定着しておらず、旬である冬に美味しく食べられていたのも原因だったでしょう。

そこであるうなぎ屋が、平賀源内にどうすれば夏でもうなぎが売れるのかを相談したのです。

それに対し、平賀源内は「本日丑の日」と書かれた張り紙を大きな看板に貼って店の前に置くという発案をしました。

これには「丑の日」に「う」のつく「うなぎ」を食べることで縁起が良いという語呂合わせや、鰻を食べると精がつくということで、夏を乗り切るために良いというイメージを植え付ける狙いもあったのです。

有名な学者である平賀源内がそう言っていたということもあり、この宣伝は見事人々の心を捉え、店は繁盛するようになります。同じように商売に困っていた他のうなぎ屋も真似し、それが拡がっていくことで夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べるという習慣が根付いていったのです。

うなぎを食べると本当に精がつく?

平賀源内が提唱したという「土用の丑の日」にうなぎを食べることで精がつき、食欲やスタミナが減退する暑い夏も乗り切れるというイメージ。

では本当にうなぎを食べると精がつくのでしょうか?

うなぎに含まれる主な栄養素

亜鉛 ビタミンA ビタミンB群 ビタミンE EPA ムチン

このように、うなぎには疲労回復や免疫力を高めるための豊富な栄養が含まれており、精をつけるための食材としては間違っていません。

しかし、うなぎだけを食べていても補えない栄養もあるため、当然ですがしっかりとバランスを考えた食事を心がけることが大切です。

平賀源内が発案し、江戸時代から根付いてきた日本の伝統であり文化にもなっている「土用の丑の日」にうなぎを食べるという習慣。

精をつけるためのひとつの食材として、「土用の丑の日」には美味しいうなぎを食べる文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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