【日本カレー紀行】外出自粛が終わったら食べたい!100年の時代の荒波を乗り越えてきた三越前のインドカレースタンド「フジヤ」 (3/3ページ)
例えば、焼きカレーと言えば、あの上戸彩さんが絶賛した下関のカレーに銀座の焼きカレーの名店「3丁目のカレー屋さん」があるし、新潟のソウルフード「バスセンターのカレー」に、カツカレー発祥の地「銀座スイス」、劇ウマのトンカツとカレーを味わえる「いっぺこっぺ」、奇跡の復活を遂げた「ニューキャッスル」の「辛来飯(カライライス)」、ワンコインでおいしいカツカレー味わえる東京八重洲の「アルプス」、さらには立ち食い蕎麦屋で絶賛されている「そばよし」にもたっぷりとカツオダシの効いたカレーライスがあるし、立ち食い蕎麦屋にもかかわらず、カレーの方が有名な「よもだそば」、そして、国際線の空港ラウンジで味わえるJALの絶品カレーなど、数え上げれば本当にキリがない。
そんな美味しい日本全国のカレーの中から、今回は東京・日本橋で味わえる最高のインドカレースタンドをご紹介したい。
お店の名前は「フジヤ」だ。
・業態を変えながらこの地を100年以上守り続けているお店、それが「フジヤ」
実はこちらのお店、明治41(1908)年に下駄屋としてスタートし、三代に渡ってこの場所を守り続けているお店。
その100年以上の歴史は様々な時代の変遷に翻弄され続けた歴史だったのだそうだ。
借金をして初代が購入したこの土地でスタートした下駄屋は、第二次世界大戦後には急速に需要が小さくなってしまう。その後、靴の修理業へと業態を変えたのだが、これもまたしばらくして高度経済成長期になると使い捨てが増え、靴修理の需要が激減、またしても売り上げが低迷する。
その後、多くの通勤客を相手としたパン屋へと業態を変えることによって大きく売り上げを伸ばしたのだが、またしてもバブル期をすぎるとコンビニエンスストアが台頭、売り上げが低迷してしまったのだそうだ。
そんな歴史の荒波を乗り越え続けたフジヤは、現在の三代目によって1996年、業態をインドカレー・スタンドへと変え、今なお、美味しいインドカレーを多くの人々に提供しつづけているのだ。
・オススメしたい最高のキーマカレー
こちらで提供されているカレーは、チキン、ビーフ、豆、ヤサイ、キーマの5種類。
それを、ライス、サラダ付きのAセットか、ハーフナン、ハーフライス、サラダ、タマゴ、スープのボリュームたっぷりのBセットかの2つから選んで注文するのだ。
そのどれもが非常に美味しいのだが、もしメニューに迷ってしまうのであれば、ひき肉のウマミをたっぷりと感じられるスパイシーなキーマカレーをオススメしたい。
まず提供されるスープだが、これが非常に優しくて美味しい豆のスープとなっている。
食前に少し味わってみると、じわじわっと体の芯まで豆の優しいウマミと甘みが広がっていくため、少し元気がなくても食欲がもりもりと湧いてくる。
そんな力みなぎる不思議な優しいスープを味わいながらカレーの到着を待つのも、またこのお店のうれしい時間かもしれない。
そしてジューシーなウマミたっぷりのひき肉とスパイシーな味わいを楽しめるキーマカレーが登場したのなら、最高のフジヤタイムの始まりだ。
どんな食べ方でも構わないのだが、そのままカレーを味わっても、パンのような優しい甘みをかんじるハーフナンと味わっても、ライスと味わっても、それぞれの味わいを楽しむことができるのが、こちらのカレーの素晴らしいポイント。
カレー自身に非常に個性を持っているにもかかわらず、一緒に食べるナンやご飯との相性も素晴らしく、あっという間にカレーを食べ終わってしまう、そんな不思議な力あふれるカレーとなっている。
いまだ解明できないコロナウイルスとの戦いの真っ只中であるが、いずれこのコロナウイルスとの戦いも終わりを迎えるに違いない。
もしそんな戦いが終わったのなら、今回の荒波をまたしても乗り越えてくれるだろう、こちらの「フジヤ」で絶品のインドカレーを味わってみてはいかがだろうか?
そのスパイシーな味わいの奥には、100年以上、時代の大きなうねりの中でも、この場所を守ってきた、骨太のお店の真骨頂を感じる味わいがあるに違いないのだ。
そしてそんな美味しいカレーを味わったのなら、次の100年を切り開くパワーをもらえるに違いないのだ。
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お店 フジヤ
住所 東京都中央区日本橋室町1-12-13
営業時間
お店のホームページ