愛の言葉は「殺す」か「死ぬ」か。破壊衝動がスパークするラブソング (2/2ページ)
このように恋愛を過度に神格化する女の行動は、大きく2つに分かれます。
(1)理想が高すぎて恋愛に踏み出せなくなる (2)運命の恋を求めて片っ端から試してみる
どちらに行っても獣道! 地獄にしか繋がっていない! と叫びたくなりますが、無駄に好奇心だけ強い私は「(2)運命の恋を求めて片っ端から試してみる」派として、盛大に失敗することになります。
■感情ジェットコースターを経験して大事故へ
片っ端からといっても、中高生の恋愛なんてたかがしれています。恋という名の餌に釣られ、自らの未体験ゾーンに突っ込む死にたがり野郎さながらですが、当時は「あの歌詞のような感情を知りたい」という気持ちが最優先でした。
18歳の私は、「あれも違う、これも違う」を繰り返した後、「運命!」と思い込める相手と出会い、付き合い、ある日破局して、その後2年のどん底失恋期間を味わいます。
私の運命の恋(錯覚)は、突然届いた「もう好きじゃない」というメールでドンガラガッシャーンと壊れます。しかし、陶酔した恋愛が木っ端みじんに壊れて訪れたのは、ラブソングへの理解の深まりです。
そう。「強烈な感情」は幸せ絶頂時だけでなく、失恋時にも味わえます。そして、破壊衝動がマシマシな歌詞たちは、どん底にいる女にほど響くものです。
■もうあんな没頭はできないから、聴きたい破壊衝動ラブソング
自分の感情の上下の激しさ=「思いの大きさ」でないことを今の私は知っています。
18歳のときは脳がスパークして焼き切れるような、相手と死ねる関係をラブソングに見ていましたが、今は一緒に生きて歩いて行ける関係が理想です(当たり前だ)。
だけど、あの日憧れた「あなたのために死ねる」をめちゃくちゃエモーショナルに歌い上げた曲を聴く度に、強い衝動が一瞬よみがえります。破壊衝動ラブソングに憧れたり、気持ちを重ねたりすることはもうないけれど、残り火を楽しむように「あなたと私」の世界に浸るのは悪くありません。
(文:ぱぴこ、イラスト:オザキエミ)