屋根より高い鯉のぼり♪…が空を飛んでいる理由は中国の伝説にあった? (2/3ページ)
小原古邨 「鯉」 昭和十1935年
んなバカな……と、多くの鯉たちは信じませんでしたが、中には物好きや目立ちたがり屋が「いっちょ龍になってみるか!」と滝登りに挑んだものの、激しい流れに押し戻され、跳ね飛ばされて怪我をする者、命を落とす者が続出したそうです。
「だから止めておけって言ったのに……そもそも、龍になれたら確かに凄いけど、龍になって何がしたいんだ?」
無謀な挑戦を続ける若者たちを冷ややかに見守る年寄りたち。そこへ、また新たな一匹の若い鯉がやって来ました。
「お前さんもかい……悪い事は言わないから止めておk……うわぁっ!」
年寄りたちが止めるのも聞かず、その若い鯉は一気呵成に滝登りを果たしたかと思ったら、その勢いで滝の頂上から空まで泳ぎ上り、龍の姿になって飛んでいったそうです。
めでたしめでたし。
男子の成長、そして成功を願う親心これが難関を突破して大出世を遂げた状態を意味する慣用句「登龍門(とうりゅうもん。龍門を登る)」の語源であり、近年では成功に必要な難関そのものを差すニュアンスでも使われています。
後世、後漢王朝(ごかん。西暦25年~220年)に仕えた李膺元礼(り よう 字げんれい。生年不詳~西暦169年没)という朝廷の実力者がおり、彼に才能を認められた若い官吏はその後の出世が約束されるほどの影響力があったそうです。
その事から、彼のお眼鏡にかなうハイスペックを備えた凄さを、鯉の滝登りに擬(なぞら)えて登竜門と呼ぶようになりました。
膺以聲名自高 士有被其容接者 名爲登龍門
【意訳】李膺は名声を高め、彼に認められた(容接を被った)者は「登龍門」と呼ばれた。
※『後漢書』李膺伝より。