白濱亜嵐『M 愛すべき人がいて』トンデモ展開で光る“絶妙な子分肌”
土曜放送の『M愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)が、相変わらず暴走している。第3話では、市毛良枝(69)演じる、最愛の祖母が病死。アユを演じる安斉かれん(20)が泣き崩れるシーンは、不覚にも、もらい泣きしてしまった。
安斉かれんは、実はお芝居のセンスはちゃんとある人で、演出から棒演技を指示されているのではないか、とあのシーンで思った。と同時に、彼女を見るたびに、控えめながら才気に満ちた元ももいろクローバーZの有安杏果(25)を思い浮かべてしまう。声も似ていて、骨格が似ている人はやはり声も似るのか、とシミジミ感心しながら見ている。
さて、そんな濃いストーリーとキャラの中、自然な演技をしつつ、濃いメンバーに埋もれないというミラクルな存在感を見せているのが、流山翔役の白濱亜嵐(26)だ。
「A VICTORY」の社員である流山は、専務のマサ(三浦翔平/31)直属の部下で、明るくお調子者の性格。全員が好き勝手に動き回るこのドラマの中で、ある意味、もっとも空気を読める常識人である。手順をちゃんと踏み、チャラいがちゃんと仕事に対する意欲も持っている。この濃いメンツ揃いのドラマでそんな「絶妙にまじめな軽さ」を演じるのは、かなり難しいはず。白濱は、演技が他のキャストよりさほど前に出ていないにもかかわらず、埋もれないのがすごい。
また、ソバージュのセンター分けというヘアスタイルから醸し出すちょっと強すぎる色気も、90年代後半という、ムダに浮かれた時代性にマッチ。良い意味で「ベタ」で、あの頃の業界はこんな感じだったのかな、と思わせる。
■白濱亜嵐が物語のキーマン?
大映ドラマにたとえれば、『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系)で、ヒロインのユミにぞっこんな“たっちん”を演じた、風見慎吾的な雰囲気だろうか。こういった「子分肌の素直なタイプ」が、大きな力に巻き込まれ、いつのまにか一番主人公をてこずらせたりするのも、“ドラマあるある”。白濱が演じる流山も、キーマンとして動きそうな気配ムンムンだ。
第4話では、アユに強烈なライバル心を持つ理沙(久保田紗友/20)に振り回されるようで、楽しみにしていた。ところが新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、第4話の放送は延期。放送を予定していた9日には、第1話の特別編が放送される。
残念ではあるが、あらためて白濱亜嵐の「流されず、しかし上手に染まる」見事な存在感を確認してみたい。(田中稲)