火星から回収された岩石に未知のウイルスが付着している可能性を科学者が指摘(米研究)
地球外ウイルスが火星からやってくる可能性 / Pixabay
先日WHOによって新型コロナはコウモリ由来である可能性があるとの発表があったが、未知のウイルスは地球の外からももたらされる可能性がある。
現在、火星への有人飛行へ向けて着々と準備が進められているが、そこから帰還する宇宙船や宇宙飛行士によって地球外ウイルスが持ち込まれる恐れがあると、科学者が警鐘を鳴らしている。
宇宙航行の専門家スコット・ハバード教授(アメリカ・スタンフォード大学)は、そのような事態を未然に防ぐために「惑星検疫」の必要性を説いている。
・2030年代、人類は火星に到達する予定
NASAは、2030年代に(早ければ2035年にも)火星への有人飛行を目指している。それ自体は素晴らしいことだが、同時に人類初の偉業を成し遂げた宇宙飛行士たちが帰還するときに、危険な汚染物質を持ち込む恐れもある。
スタンフォード大学の宇宙航行学者スコット・ハバード教授は、『Stanford News』で次のように述べている。
私自身を含め、科学コミュニティの意見によれば、火星から持ち帰られた数百万年前の岩石にまだ生きている生命体が紛れ込んでいる可能性は、相当に低いでしょう。
そうだとしても、それは検疫し、安全性が証明されるまでエボラウイルスのように扱わねばなりません。
1970年代のバイキング1号・2号など、かつて行われた火星ミッションでは、莫大な予算をかけてロケットが開発され、それが発生する激しい熱によって殺菌することもできた。
しかし今日では、大学や民間企業が低予算でロケットを開発することができる。その一方で、予算の制約から「惑星防衛のコストは大きな負担」となることだろう。

image by:SpaceX
・火星の岩石に未知の汚染物質が付着している可能性
たとえば、まもなくNASAの火星ミッション「マーズ2020」が実施され、そこに送り込まれた次世代ローバーが岩石サンプルを地球へ送り届けてくれるだろう。
しかし、同教授はサンプル保管容器を高温で焼かねばならないと主張する。さらに、熱のみによる除染は十分ではなく、これに化学洗浄を組み合わせるべきであるという。
それは火星から帰還した宇宙飛行士も同様だ。もちろん人間はロボットではないので、手荒な除染をすることはできない。
そこで一定期間、隔離し、何らかの病気に罹患していないことを確認する検疫プロセスが必要になる。これはアポロミッションで人類が初めて月に降り立ったときにも行われたことだという。

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・地球人が地球外天体を汚染するリスクも
こうしたこととは逆に、宇宙飛行士が地球の細菌で火星を汚染してしまうケースも懸念されている。
地球以外の天体を守らねばならないという思想は、1950年代頃から提唱されるようになった。それによれば、犯行現場の証拠が何も知らない人物によって台無しにされてしまうことがあるように、地球の細菌によって太陽系の重要な地域が汚染される恐れがあるという。

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・一方で地球の細菌が惑星をテラフォーミングしてくれるという主張も
一方で、地球外天体の汚染をもっと前向きにとらえる意見もある。
ノバ・サウスイースタン大学とリオデジャネイロ連邦大学の研究チームは、火星に持ち込まれた地球の細菌は、そこをテラフォーミングし、生命が暮らせる環境を作り出そうとするだろうと、『FEMS Microbiology Ecology』に掲載された論文で述べている。
火星にそうした細菌を解放するに先立って、有望な細菌と危険なものを選別するプロセスを開発しようというのが彼らの主張だ。
同チームによれば、そもそも汚染を防ぐことなど不可能に近いという。細菌が持ち込まれてしまうのは事故などではなく、不可避的な出来事であるというのだ。
地球外天体の汚染についてはさまざまな意見があるが、今の時点において、宇宙関連機関は汚染防止の手順を用意しているという。
References:news.stanford / academic/ written by hiroching / edited by parumo