伊藤健太郎『東京ラブストーリー』評価が真っ二つの理由はキャスティングにあり? (2/2ページ)

日刊大衆

だからこそ、逆に三上の弱さや迷い、カンチに対するコンプレックスをヒシヒシと感じる。『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の上条役でも思ったが、憎み切れない憎まれポジションがとてもうまい。これからの芸能界をけん引する俳優の1人だと、あらためて思った。

 そして、意外なほどハマっているのが、関口さとみ役の石井杏奈(21)だ。ガッチリと「ねっとりとした嫌な女の代表」を、キチンと演じている。一番難しい役だと思うが、本当に上手な人なのだなあと感心してしまった。

 ただ1人、とまどいを覚えるのが、赤名リカ役の石橋静河(25)である。演技は自然だし、ポテンシャルは感じる。目力の強い色っぽいルックスは、鈴木保奈美よりも、柴門ふみの原作マンガの赤名リカにも似ている。

■リカが目立ちすぎ?

 ただ、あまりにも堂々としすぎていて、百戦錬磨感がハンパない。ドスの聞いた低い声のせいだろうか。伊藤が演じるカンチとあまりにも「場数が違います」という雰囲気が漂い、笑い方もどちらかというとガハハハ的。初めて結ばれるシーンは、リカが失恋したカンチを慰めるというよりは、「まんまとカンチが食われた」という印象だった。今のところ、カンチ役の伊藤のほうが、乙女でヒロインのようである。

 Amazonプライムビデオでの感想も、ザッと見る限り、評価は真っぷたつ。冒頭にも書いたが「都会でこんな恋愛がしてみたい」と“憧れ”の視点で見ていた1991年版よりもリアルだ。今の若者が共感するような、きめ細やかな演出も、確かに素晴らしいとも思う。オリジナルの東京ラブストーリーを見ていない人のほうが、2020年版はニュートラルに楽しめるかもしれない。(田中稲)

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