過去を消した女たち 第9回 さくら(33) 風俗の仕事は「手っ取り早く稼ぐには一番いい」 (2/2ページ)

週刊実話

その人からしてみたら、慣れてないのがよかったのかもしれません」

 稼ぎは多い時で月に80万ほどになった。普通のアルバイトで稼げる額ではない。それでもブランド品を買い漁るわけでもなく、身なりは変わらなかったという。

「ほとんど食費に消えました。カラオケに行ったり、友達におごったり、手元にはほとんど残りませんでしたね。物欲というよりは、食欲に消えていきました」

 身体的に太ったぐらいで、両親からいぶかしがられることはなかった。ただ、何度か危険な目にはあった。

「本番は絶対に断っていたんですけど、タチの悪い人に無理矢理入れられて、中に出されたことがあったんです。それでアフターピルを飲みました。あれって、飲むと次の日はずっと吐き気が止まらず、寝込むような状態になるんで、すごいきつかったのを覚えています。それと、ストーカーですね。最寄り駅の改札にいきなり現れた時は、さすがに恐怖心を覚えました。しばらくは使う駅を変えました。他の店の話ですけど、女の子がお客さんに殺されたという事件もあったので、変な気を持たれないように気を付けるようにしました」

 専門学校卒業と同時に風俗から足を洗ったさくら。出勤最後の日のことも忘れられないという。

「辞める日にプレゼントをくれたお客さんがいて、リボンがついた箱に入っていたのは、極太で透明の光るバイブだったんです。自己中なお客さんが多かったですけど、さすがにびっくりしました」

 それからは、風俗に戻ることはなく、3年前には結婚して、幸せな毎日をすごしているという。

「今はまだ、旦那さんの仕事も順調ですし、私の仕事も問題はありません。ただ未来は、どうなるか分かりません。そうなった時には、需要があるか分からないですけど、風俗の仕事に戻ることは頭の片隅に常にあります。手っ取り早く稼ぐには、一番いいですからね」

 その時、旦那さんには打ち明けるのだろうか。

「いや、絶対に言いません。そんなこと言ったら、『死ぬ』とか言い出しそうです。黙ってやると思います」

 風俗で働いたという事実は、過去のことも、これから働いたとしても、誰にも言うつもりはないという。

 金銭的な魅力の他に、風俗の仕事を厭わないのには理由があった。

「いま思えば、セックスというものが嫌いではないんだと思います。性に対して、人より貪欲なところがあるかもしれませんね」

 その感情は、風俗で働いたがゆえに気付いたものだ。その言葉を聞き、風俗に身を投じ、仕事をし続けられる女性には、心のどこかに彼女と同じような感情があるではないかと思った。売春は世界最古の職業とも言われるが、金銭的な魅力ばかりでなく、女性にも性的な満たされ得るという側面もあることを、彼女の発言は物語っているのだった。

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