日本のコロナ被害が少なかった理由と宣言解除後の「第二波」回避のために必要なこと (2/3ページ)

新刊JP

一方の日本語は、p・t・kは(そもそも日本語にpの音は少ない)息を吐き出さない無気音として発音されるため、普段の会話では口からあまり飛沫が飛ばないのだという。

2003年に発生し、世界で8000人あまりの感染者を出したS A R Sに日本人が一人も感染しなかったのは「幸運な偶然」とされるが、日本から感染源となった中国(香港を含む)や台湾への年間旅行者数は310万人と、27人の感染者が出たアメリカの230万人よりも多く、偶然だけでは説明がつかないだろう。

「S A R S感染者ゼロ」はまぎれもない成功体験だ。井上氏は、数値的に実証する術はないにせよ、その成功の理由を考えておくのは重要だとし、人との接触が少なく、旅先のホテルにもスリッパを持ちこんで、よく手を洗う日本人の行動習慣が寄与した可能性に言及している。

■新型コロナ第二波に備えるために必要なこと

日本が感染症に強いとはいえ、ワクチンが開発されていない以上、今回の新型コロナウイルスには第二波、第三波の恐れがつきまとう。感染者が増える度に経済活動を自粛していては社会がもたない。日常生活を取り戻しながらもウイルスの感染拡大を防ぐ、「新たな行動様式」が求められている。

在宅勤務の普及や、オンライン診療の整備、集会やイベントを減らすことは社会全体で取り組むべき課題だろう。大切なことは、個人として取れる行動を考えること。マスク、手洗い、閉鎖空間で大声を出すなどの日常行動は控えるべきだ。また、多少の症状が出ても、自宅で静養していたほうが世のため人のためであると、井上氏は指摘する。大事なのは「やみくもに行動しないこと」だ。

新型コロナにつても長期戦が予想されるが、常に神経を尖らせていたり、自粛が続けば、肉体的にも精神的にも疲弊してしまう。ウイルスの性質を知り、感染拡大を抑える行動を論理的に考えれば、「やるべきこと」と「意味がないこと」も理解できる。

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日本は世界一清潔で、感染症が広がりにくい社会だとは言え、100%、ウイルスの伝播を防ぐことはできない。だからこそ、病原体や感染症にはどのようなものがあり、どう対策をしていけばいいのかを知ることが大切になる。

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