歴史家と戦国マニアが激論バトル「もしも織田信長が総理大臣になったら」 (2/2ページ)

Asagei Biz

ネットの時代になって、地方にいても全国を相手に仕事ができる仕組みを考えるなら、信長の小姓から始まって柴田勝家や秀吉に仕え、うまく立ち回りながら加賀百万石を築いた前田利家。そして伊達政宗のような東北の雄みたいな人もコロナ時代の社長になって地域創生をしてほしいですね。観光業などの復活を目指すなら、立花宗茂もいい。宗茂は関ケ原の戦いで西軍について領地を没収されますが、一から出直して徳川の旗本として再就職。その後、東北の小大名に昇進、コツコツ努力を重ねながら最後には元の九州・柳川に返り咲いた人物。敗者復活の代表です。立花家は今も続く料亭旅館を柳川で経営しています」

 一方、桐畑氏は、会社の人事で考えるならやはり信長社長を前提に、謙信が副社長、相談役には中国地方を制した毛利元就が控えていれば安心だと語る。

「謙信もカリスマ性があってトップダウンで率先して引っ張っていくタイプなので総理、社長にもいいんですが、コロナの時代に我慢、我慢ばっかりを言いそうだし、北条方の関東攻めでも領土を家臣たちに与えなかったから、けっこう家臣たちは不満がたまってしまったと思う。ここは信長社長を脇でサポートする副社長あたりで。毛利元就はもともと地方の村長クラスの領土から叩き上げて一代で中国一の大大名になって、自分の息子たち(毛利隆元、吉川元春、小早川隆景)にも、天下まで目指すなよ、みたいなことを言ってますから、創業社長って感じで相談役というのがいいかなと。そうなると会長クラスに武田信玄ですね。どっしりと存在感のある会長がいて、部長クラスに光秀、秀吉あたりがいると社員も働きやすいと思います。そしてさらに下の課長クラスに、真田幸村とか竹中半兵衛なんかがいると、最強の会社ですね。竹中半兵衛は稲葉山城を乗っ取ったりしてお家の立て直しが得意なので工務店の社長なんかがいいかもしれませんが、それじゃ竹中工務店になって、ヤヤコシイ(笑)」

 ただし…。

「これだけ信長を推しておきながら、自分が部下として働くなら、信長株式会社はちょっと厳しそうなので嫌なんですけどね(笑)」

河合敦:1965年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。多摩大学客員教授。早稲田大学非常勤講師。歴史作家・歴史研究家として数多くの著作を刊行。テレビ出演も多数。主な著書:「早わかり日本史」(日本実業出版社)、「大久保利通」(小社)、「日本史は逆から学べ《江戸・戦国編》」(光文社知恵の森文庫)など。

桐畑トール:1972年、滋賀県生まれ。滋賀県立伊香高校卒業後、上京しお笑い芸人に。2005年、オフィス北野に移籍し、相方の無法松とお笑いコンビ「ほたるゲンジ」を結成。戦国マニアの芸人による戦国ライブなどを行う。「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)のリポーターとしてレギュラー出演中。現在、TAP(元オフィス北野)を退社しフリー。

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