天才テリー伊藤対談「喰始」(4)昔の僕、そんなにひどい人でした?

アサ芸プラス

天才テリー伊藤対談「喰始」(4)昔の僕、そんなにひどい人でした?

テリー もし今、WAHAHA本舗がなくなったら、喰さんはどうやって生きていきますか。

 僕は寂しがり屋で、一人で生きられないタイプなんですよ。そもそもWAHAHAを作ったのも、自分の家に5~6人いた居候が全員いなくなった時、あまりの寂しさに「このまま一人でいると自殺するな」と思ったからですから。

テリー えー、そんな理由だったんですか。

 だから、もしWAHAHAが解散したとしたら、僕はもう一回「この指止まれ」をやりますね。誰か1人でも、こんな俺と「やりたい」と言ってくれる人がいれば、一緒にやります。

テリー へぇ~、それはけっこう意外な答えですね。

 そう? それこそテリーさんも社長業やタレント業があって、お店もやっていると思うけど、今みたいな状況でそれが全部アウトになったらどうするの。

テリー いや、まさにその気持ちがあったから、喰さんに聞いてみたんです。

 だってさ、70歳を超えた男が「この指止まれ」って言っても、普通は「いやぁ、もういつ倒れるかわからないから」って寄って来ないじゃないですか。それでも寄って来てくれるならば、よほど僕のことを信用してくれていると思うんですよ。

テリー 喰さんはクリエイターだからそれができると思いますけれど、例えばサラリーマンの人は、退職して肩書も名刺もなくなった時に「この指止まれ」はできないんじゃないですか。

 いやいや、信用できる人間関係は麻雀友達でも釣り友達でも、何でもいいんですよ。とにかく「こいつには何でも言える」という人間関係を作っておかなきゃいけない。それは今からでも遅くないと思うんですよ。テリーさんもディレクターでバリバリやっている頃って、部下もいっぱいいたけど、ひどい人だったじゃないですか。

テリー アハハハ、そうでした?

 そうですよ。それでも「テリーさん、おもしろいよね」と思う人がいて、ついて来てくれたわけでしょう。つまり、それはテリーさんを信用しているわけじゃないですか。今は、そういう人を大事にして、「お前が困っている時は助ける。俺が困ったらお前も助けろよ」っていう、古い義理人情みたいなものをもう一回復活させなきゃいけないと思いますよね。

テリー そういうふうに考えるようになったのは、最近のことですか。

 うん、特に今回のコロナ騒動は大きかった。例えば東日本大震災の時、日本人はマナーがよくて、被害者同士が仲よくやっている姿が外国から称賛されたりしたわけじゃないですか。ところが、コロナ関連で出てくるニュースを見ていると、みんな自分主義で動いていることが浮き彫りになってきて、僕なんかは「日本人の正体がだんだんバレてきたな」という印象があるんですよ。

テリー ああ、それは僕も思いますね。

 だから今回の騒動をきっかけにして日本人は一度底まで落ちて、そこから信用できる人間同士がどうつきあっていくかを考えていかないといけない。僕はそう考えています。

テリー さすがの慧眼ですけど、WAHAHA本舗の笑いとは真逆のこの真面目さ(笑)。

 ハハハ、笑いのほうは来年の全体公演でぜひ。必ずやりますので。

テリー 楽しみにしています。必ず行きますから。

◆テリーからひと言

 いやあ、うれしくなるぐらい変わらない、まさに演出家バカだね。ぜひ、また何かご一緒にできる日を楽しみにしています。

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