一度は使ってみたいプロレスの言霊 「クリアすべき問題がある」発言者・ジャイアント馬場 (2/3ページ)

週刊実話

なぜなら当時、馬場の意に沿わない質問をすれば即座に取材禁止になるような空気があり、また、仮に聞いたところで“真剣勝負”を信じるファンが大多数だった時代に記事化することは難しく、結局、この話はいつしか立ち消えとなってしまった。

 しかし、オールスター戦直後には、水面下において馬場が対戦に前向きな姿勢を見せていたと、その交渉にあたった栗山満男氏(当時のテレビ朝日系『ワールドプロレスリング』プロデューサー)は著書などで語っている。

 その内容はというと、ファイトマネー1億円の提示に対しては、馬場から「税金対策の意味からも、1000万は新日から受け取るとして、残り9000万はテレ朝から借り入れという形にしてもらいたい」との要求があったとする具体的なもの。

 馬場が猪木に負ければ全日の存続は困難で、解散の後に新日に吸収合併されることも想定。馬場自身は引退して、ハワイ暮らしをするプランも話していたという。

 だが、これら栗山氏の証言が真実だとすれば、先に掲げた問題はいずれもクリアされることになる。高額ファイトマネーと引き換えに勝敗や興行権を新日と猪木に委ね、全日解散後にテレ朝のバックアップが約束されれば、日テレとの間には道義的な問題が残るだけである。

 再三にわたる猪木の無礼に謝罪を求めたとしても、対戦実現のためなら猪木は喜んで頭を下げただろう。また、全日の興行に関わってきたプロモーターや関係者などの問題は残りそうだが、これも新日が興行を増やすなどして対応できそうではある。

 しかし、馬場は栗山氏との交渉から間もなく、理由も言わずに対戦の白紙撤回を申し出たという。

★最もクリアできなかった問題

 この件を察知した日テレが好条件を提示した、または日テレから膨大な違約金を請求された、やはり猪木への不信感が拭えなかったなど、理由はいろいろ推察できるが、もう一つ、きっと事前に馬場が相談していたであろう相手がいる。

 馬場元子夫人だ。このとき馬場41歳、元子夫人は39歳。不惑を過ぎたばかりの夫が隠居を言い出したときに、いくら金の不自由がなさそうだとはいえ、妻は素直に納得するものだろうか。

 70歳まで生きるとしても余生は30年。

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