仲里依紗NHK『エール』“バンブー妻”でトップ奥さま女優へ

日刊大衆

仲里依紗NHK『エール』“バンブー妻”でトップ奥さま女優へ

 窪田正孝(31)主演の朝ドラ『エール』は、6月15日の放送から脇役たちのオムニバスドラマを展開している。中でも話題となったのは、バンブー夫妻だ。

 第58話で描かれたのは裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ/25)が行きつけの喫茶店「喫茶バンブー」の店主、梶取保(野間口徹/46)と恵(仲里依紗/30)夫婦の過去。SNSでも以前からこの夫婦がいい味出していると評判で、「バンブー夫妻が震えるぐらいの存在感」とツイッターでも話題を呼んでいた。

 朝ドラでは主人公たちが入り浸る場所が、とても重要だ。たとえば昨年放送の『なつぞら』ではヒロインなつ(広瀬すず/21)が住んでいたおでん屋「風車」が、みんなが集まるサロン的存在だった。この店を仕切っていたのは山口智子(55)演じる亜矢美で、姉貴ぶんとしてドラマにアクセントを加えていた。朝ドラではこのように、主人公を支える「姉貴」キャラは、演技派ベテラン女優が配されることが多かったが、バンブー夫妻の仲里依紗はまだ30歳だ。この年齢で朝ドラの演技派枠を見事に勝ち取り、夫の保を尻に敷く恵役を熱演している。

 仲里依紗は2006年に劇場版アニメ『時をかける少女』のヒロイン役の声を務めると、透明感と元気のよさを兼ね備えるヒロインというイメージが浸透し、王道美少女路線を歩んできた。転機となったのが10年の映画『ゼブラーマン–ゼブラシティの逆襲–』だろう。ゼブラクイーンという悪役をセクシーな衣装で演じ、清純派以外もこなせることをアピールした。

 以後も幅広い役柄で活躍し続けているが、特筆すべきは、近年は「奥さま」のハマリ役が多いということ。『あなたのことはそれほど』(TBS系)『ホリデイラブ〜夫婦間恋愛〜』(テレビ朝日系)と、夫に不倫される「サレ妻」を演じ話題に。と、思えば『それを愛と間違えるから』(WOWOW)では、稲森いずみ(48)演じる主人公から夫を奪う不倫妻を熱演していたのも、記憶に新しい。

■独自の地位を確立した仲里依紗

 仲里依紗が朝ドラの演技派枠を獲得できたのには、彼女ならではの個性がある。まずは実生活が、うまく役柄にリンクしているということ。仲は13年、俳優の中尾明慶(31)と結婚し、その年に第一子を産んでいる。それから早7年、中尾との結婚生活、育児を経て、「リアル」な奥さまを自然に演じられる女優に成長したのだ。中尾がバラエティに出演し鬼嫁呼ばわりしたこともあり、男を尻に敷くイメージもすっかり定着。すっかり増した色気と、等身大の奥さま感を同時に持つ仲里依紗は、あらゆる奥さま役に対応できる個性を持ちえたのだ。

 次は親近感が湧く、人間味を見せられるということ。仲は、女性からの好感度もバツグンだ。20年4月に始めたYouTubeチャンネル「仲里依紗です。」が登録者数45万人超えと大人気。ヨガ動画などのコンテンツに混じり、着飾らないふだんの姿もアップしているが、これが世の女性から絶賛されているのだ。ツイッターでも「まじで普通の人すぎて親近感湧きすぎ」と大評判。コミカルな役も上手でもともと女性人気が高かった仲だが、普通の主婦と変わらない姿をさらけ出すことで、奥さま役にリアリティを与えているのだ。その奥さまキャラは、なるほど朝ドラでもどハマりしている。

 次々に若手が出てくるうえ、ベテランもしっかりそろっている女優業界で、30歳という年齢で自分の地位を確立した仲里依紗のあり方は見事と言えよう。吉高由里子(31)や新垣結衣(32)のような、主役級のアラサー独身女優ももちろん人気だが、仲里依紗のように人間味を感じさせる女優こそ、長生きできるというもの。喫茶バンブーは今後も重要な舞台になりそうで、ドラマ後半も仲の活躍の場は多いだろう。今後の仲里依紗、そしてバンブー夫妻に、注目したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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