神木隆之介『SPEC』から10年、期待したい“ネチネチクズ男”

日刊大衆

神木隆之介『SPEC』から10年、期待したい“ネチネチクズ男”

 新型コロナの影響でドラマの撮影が延期となり、過去の人気ドラマの再放送が続いた5月から6月。つくづく「名作はいつの時代も名作」と思う。そして同時に、スターの若かりし頃の特別な輝きに唸る。

 2010年に加瀬亮(45)と戸田恵梨香(31)の主演で大ヒットした異色ドラマ『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBS系)も、6月11日から全話一挙再放送されたが、キーマンとなる一十一(にのまえじゅういち)を演じた神木隆之介(27)には驚いた。今でも十分に若い神木だが、当時(17歳)の輝きは独特だ。大人になりきれていない独特の青さ、尖り、みずみずしさをギュギュっと濃縮した感じで、怖いほど麗しい。それをまた黒のタートルネック姿が煽る煽る!

 しかも悪役で超能力者だ。数万倍のスピードでこの世を動き回る能力を、無垢な笑顔で指をパチンとならして発揮する神木の妖艶さは、すさまじい説得力があった。

 もともと売れる俳優というのは強烈なオーラを放つものだが、その年齢でしか出せない魅力を最大限に放出する役をゲットし、ちゃんと映像に残り、さらにはヒットするというのはある意味、奇跡と思うのだ。神木は、そのチャンスを丁寧につかんでいる数少ない一人だと思う。

 私は映画『桐島、部活やめるってよ』の冴えない映像部員、『バクマン。』の高木秋人、『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)の 羽生虎夫など、等身大の青年をイキイキと演じる神木が大好きなのだが、「天才子役というイメージを崩さず、ここまで親近感を漂わせるってすごい」と感心する。

■神木隆之介のクズ男が見たい!

 天使が地上に降りてきて、上手に人間になじんでいった感がすごい神木隆之介。『SPEC』は、彼のターニングポイントだったのではないか、と勝手に思っている。

 一十一役で見せてくれたすごみは、2014年に公開された「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」の瀬田宗次郎役でも発揮してくれたが、そんな彼も、もう27歳。30歳あたりで、再びゾッとするような悪役を見てみたい。超能力者や天使の笑顔を持つ無垢な悪ではない、リアルにいそうなネチネチのクズ男を! まったく想像できないが、だからこそ見たい。(田中稲)

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