「7月1日レジ袋有料化」に異論反論!「責任者出てこい!」

経済産業省により、20年7月1日からプラスチック製買物袋、いわゆる“レジ袋”の有料化が、小売業を含むすべての事業者を対象に義務付けられた。あまりに唐突感のある話だが、議題そのものは18年ごろから俎上にあがっており、昨年もたびたび発表はされていたという。
「環境省が18年にまとめた『プラスチック資源循環戦略(案)』の時点で“(レジ袋の)有料化義務化(無料配布禁止等)をはじめ、無償頒布を止め『価値づけ』をすること等を通じて、消費者のライフスタイル変革を促します”という記載はありました」(全国紙政治部記者)
世界のプラごみは年に数億トン。最低800万トンが海に流れこんでいるという。そのため、近年プラスチックごみは問題視されていた。レジ袋については、海外でも18年7月時点で127か国がプラ製レジ袋の使用に法規制が設けられていたほか、83か国は無料配布を禁止している。
「19年6月のG20環境大臣会議・首脳会議も、海洋プラスチックごみの対策について会議が行われています。そして、G20にも参加していた自民党の原田義昭環境大臣(当時)が、大臣主導で決定したのが、今回の“レジ袋有料化”です。19年9月11日に原田議員は大臣を辞任したので、現在は小泉進次郎環境大臣(39)が後任を務めています」(前同)
19年のG20では、安倍晋三首相(65)は「2050年までに新たな海洋排出ゼロ」という目標を定めていた。
19年6月3日の会見でも海外の話を例に出したほか、日本でも08年4月1日から富山県が主要スーパーマーケット及びクリーニング店のレジ袋無料配布を取り止めていることも、「レジ袋有料化」が必要かつ有効な手段として原田議員は取り上げている。
環境省と経済産業省、合同の協議会を通じて、20年7月の東京オリンピック(コロナ禍により21年7月に延期)を直前にして実施する方針として話を進めていたという。
■コロナ禍の世相と合わない政策?
「もうすぐ義務化が始まることもあり、後任となった小泉進次郎環境相は6月26日に“年内にレジ袋の辞退率6割”を目標にしていると明かし、西川きよし(73)、さかなクン(44)、トラウデン直美(21)をアンバサダーとした『レジ袋チャレンジ』を発足したり、改めて呼びかけ運動をしていますが、コロナ禍と重なっていることや、そもそも“レジ袋有料化=本当にエコになるのか?”ということから、疑問の声も出ています」(WEB編集部)
特にコンビニやスーパー業界では、「レジ袋の要不要確認」や「サイズの確認」などを細かく行う必要があるほか、コロナ禍の状況での『マイバッグ』について不安の声があるという。
「SNSでは“長期間洗濯していない不衛生なマイバッグを持参するお客様もいる”とう店員の声があるほか、国内のレジ袋の使用は年間20万トン程度で、1年間に出る廃プラの2%程度に過ぎないことも、疑問点として挙げられています。
実際、16年の環境省の調査では、プラごみのうちレジ袋を含むポリ袋は容積比で0.3%だけでした」(前同)
■素材を変更してレジ袋を継続する企業
「植物性バイオマス素材を25%以上配合しているレジ袋は、石油資源の節約やCO2削減につながる」
という理由で有料化の対象外となっていることから、バイオマスプラスチック配合のレジ袋へと移行して無料配布を続ける企業にも、注目が集まっている。
「大手牛丼チェーン店の吉野家・松屋・すき屋はいずれもレジ袋をバイオマスプラスチック製に切り替えて、無料配布を継続する方針を示しています。6月24日の東京新聞で、企画本部の寺沢裕士氏は、
”コロナ対策として、持ち帰り客の中には店内に極力滞在せず、他の人と接する時間を減らしたいと考える方がいる。レジ袋の要不要を聞く作業を省けば滞在時間を減らせる”
と話しています。
すき屋の場合、レジ袋無料にくわえ、保湿効果もあり商品が倒れにくい設計の『すき屋オリジナルエコバッグ』を7月7日より20店舗で発売するようです」(専門誌記者)
コンビニ業界でも、北海道を中心に展開している『セイコーマート』は、同紙に、
「コロナ禍で家計負担が増えた上、来店時にはマスクの着用などをお願いしている。さらにお願いをする時期ではない」
と方針を明かしていた。コロナの現状と、レジ袋の有料化が重なってしまった結果に生じたゆがみと言える。
■レジ袋メーカーの回答は…
レジ袋業界では、創業60年の包装資材メーカー『清水化学工業株式会社』が2月14日から公式サイトに『脱プラ、脱ポリ、紙袋へ切り替えをご検討のお客様へのメッセージ』という記事を掲載し、話題となっていた。
脱プラスチック、脱ポリエチレン、ポリ袋から紙袋へ切り替えを検討している顧客に対して、ポリ袋がエコ商材であることを詳細なデータ込みで解説しており、SNSでもレジ袋有料化についての議論の際、データを引用している。
今回、こうしたメッセージを掲載したことや、7月1日からの切り替えについて、『清水化学』の営業部に取材し、以下のような回答を得た。
Q1.『脱プラ、脱ポリ、紙袋へ切り替えをご検討のお客様へ』をホームページに載せた理由は?
A.「ポリエチレンフィルムメーカーとして、ポリエチレンのことを知って頂いた上で、環境について考えて頂きたかった為です」
Q2.上記のホームページにについての反響はどうか。
A.「具体例は差し控えさせていただきますが、メールやSNSなどで応援メッセージ等を頂いています」
実際にツイッターなどで確認してみると、「わかりやすい」「勉強になる」「応援したい」というコメントが多く確認できた。エコロジーやプラスチックごみについて、新たな発見があるかもしれない。7月1日から実施されるレジ袋有料化。はたして効果のほどはどうなるのかーー。