懐かしいニオイが思い出の記憶と感情を呼び覚ます。そのメカニズムを科学で証明 (2/5ページ)

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 このニオイと記憶の不思議な関係をどのように説明すればいいのだろうか? 人間の大多数は、嗅覚よりも視覚に頼って生きているはずだ。それなのにニオイのほうが記憶を強く蘇らせるのは奇妙だろう。

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・「嗅球」分子がニオイに変換されるメカニズム

 空気に含まれている分子がニオイとして認識されるプロセスと、それを区分し解釈されるメカニズムは、ご想像の通り、とても複雑だ。だからその仕組みを解明したリチャード・アクセルとリンダ・バックは、2004年にノーベル賞まで贈られている。

 私たちが揮発性物質から放たれた分子に触れると、「嗅覚受容細胞」を構成する神経細胞が脳の中にある「嗅球」という部分に信号を送る。

 アクセルとバックが発見したのは、数百種ほどの嗅覚受容体(その数は遺伝子の数に相当)が、1つのニオイに対して複数反応することで、1万パターンものニオイを判別できるということだ。

 その信号は、嗅球内の微小領域に送られるが、そこはさらに各ニオイに特化した微小領域がある。こうして嗅球は信号をニオイとして解釈している。
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