お寺で拝むべきは仏像より五重塔!?そもそもお寺の塔って何のためにあるの?

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お寺で拝むべきは仏像より五重塔!?そもそもお寺の塔って何のためにあるの?

みなさんはお寺に行ったとき、三重塔や五重塔に手を合わせていますか?そもそもあの塔は一体何のためにあるのでしょう?

お寺に行って必ずすべきこと、それはもちろんご本尊さまを拝むことですよね。通常、ご本尊である仏様は金堂(本堂)にいらっしゃいます。

そして大きなお寺になると五重塔や三重塔がありますが、それには一体どんな役割が?
実はこの塔こそ、仏教の開祖であるお釈迦様(ブッダ/仏陀)のお墓なのです。

塔の起源はストゥーパ

紀元前483年(諸説あり)にお釈迦様が亡くなると、遺体は荼毘に付され、遺骨は8つに分けられてインド各地に8つの墓が建てられました。そのお墓はお椀を伏せたような形でストゥーパ(仏塔)と呼ばれます。“ストゥーパ”という音は日本語の「卒塔婆(そとば)」になりました。

紀元前3世紀中ごろ、インドを支配していたアショーカ王は深く仏教に帰依し、8つのストゥーパのうちの7つからブッダの遺骨を取り出してそれを8万4000に分骨してそれぞれをおさめる仏塔を建てさせたといわれています。たった一人分の骨を8万4000に分割したらどのくらいの量になるでしょう。1つは米粒くらいでしょうか。

大事な舎利を納める五重塔

ブッダの遺骨を仏舎利(ぶっしゃり)または舎利といいます。「シャリ」と聞いて何か思い出しませんか?

そうです。お寿司のお米のことをシャリと呼ぶのはここからきています。仏舎利は真っ白で米粒ほどの小さなかけらでありながら、とても大切なもの。だからこそ日本人に欠かせない主食であるお米を、仏様の遺骨に例えたのです。

8万4000に分骨された仏舎利は、さらに分割されて中国や日本のお寺に渡っていきます。それをまつるための仏塔が五重(三重)塔です。インドから中国、朝鮮を経て日本に伝わる過程で、円墳のような覆鉢(ふくばち)型のストゥーパは随分と形が変わり高くそびえる塔となりました。

五重塔の5という数は仏教における5大元素、地・水・火・風・空を象徴しています。

五重塔を貫く中央の柱(心柱)の下には心礎と呼ばれる礎石があり、そこにうずもれている舎利容器の中にほんの数粒の仏舎利が納められています。

(しかしながら、世界中に散らばっている仏舎利を集めると象2頭分の骨になるとか・・・。おっと、これはナイショ。)

ブッダの遺骨の上に建てられている塔こそ、仏教の開祖の墓。これからはぜひ五重塔にも手を合わせてくださいね。

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