食べ物をください。空腹のオットセイ、ロックダウン中のレストランのドアを叩く(南アフリカ)

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食べ物をください。空腹のオットセイ、ロックダウン中のレストランのドアを叩く(南アフリカ)
食べ物をください。空腹のオットセイ、ロックダウン中のレストランのドアを叩く(南アフリカ)

空腹のオットセイがレストランに image credit: youtube

 南アフリカ・ケープタウンのビーチ沿いにあるレストランバーは、現在コロナの影響でロックダウン中だ。しかし、ここに珍客が現れた。1頭のオットセイが道路を横切って店の前に来ると、ヒレでドアを叩き始めたのだ。

 どうやらこのオットセイ、いつもは観光客や港の人に餌をもらっていたのだが、ロックダウン中で食べ物が得られず、空腹と疲れから、お金を持たずにレストランに来店したようだ。『News24』などが伝えている。

WATCH | Exhausted seal bangs on door of Cape Town restaurant


・ビーチ沿いのレストランバーにオットセイ出現

 今月初め、ケープタウンにあるマリンスポーツで有名なテーブルビューという町にあるビーチ沿いのレストランバーに、1頭のオットセイが現れた。

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image credit: youtube

 この地域は、シーフロントにあるとはいえ、オットセイなど普段は出現することがなく、店側や目撃者らは珍妙な光景に驚いた。

 オットセイは、ビーチから6車線もある大道路を横切り、ネオンが灯るレストランバー『Pakalolo(パカロロ)』にやって来ると、ヒレでドアを叩き始めた。

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image credit: youtube

 しかし、そのドアが閉まっていることに気付くと、オットセイは開いている別のドアへ移動し、再びドアを叩いた。

 現在、テイクアウトのみ営業しているこのレストランバーのスタッフ、ルカ・デ・ラ・ゲラさんは、後の地元メディアのインタビューで次のように応えている。

最初は驚いたけど、ドアを叩き続けている姿を見て『駄目だよ、君は中には入れないよ。お酒は提供できないんだよ。』なんて言って。ちょっと面白くはあったけど、明らかに助けを必要としているようだったね。

・店側、SPCAにオットセイの救助を求める

 オットセイが、レストランバーのドアを叩く姿を目撃した女性は、オットセイがかなり疲れて空腹そうに見えたので、食べ物を買いに走ったという。

仕事で休憩して出てきたら、目撃して驚きました。なんだかとっても疲れていて、空腹に見えたので、近くのスーパーに走ってソーセージを買って、オットセイに投げ与えたのですが、興味がなかったのか食べようとはしませんでした。きっと、ペスカタリアン(魚介類を食べる菜食主義者)だったのかも(笑)


 オットセイは、長い間店の前にいたため、周りにはその光景を見物する人たちが集まり、オットセイが疲れすぎないようにと水をかけたりする配慮をする人まで出た。

 口々にオットセイを心配する声があがる中、「犬ならまだ対処法がわかるけど、オットセイって…」と困惑した店のマネジャーは、SPCA(動物虐待防止協会)に助けを求めた。

 その間、道路は警備員らによって一時封鎖となったが、やがて駆け付けたSPCA職員らによってオットセイは30kmほど離れたハウト湾にある保護区へ搬送された。

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image credit: youtube

・ロックダウン中で観光客から餌をもらえず空腹に

 ハウト湾オットセイ救助・保護施設のボランティアスタッフは、店名にちなんでパカロロと名付けられたそのオットセイについて、このように話している。

憔悴し少々痩せていて、鼻に切り傷もありましたが、抗生物質を投与して治療しました。

おそらく、店の向かいの港に住んでいて、観光客や港で働く人たちから、普段は餌をたくさんもらっていたのでしょう。ですが、ロックダウンになり観光客がいなくなって、港のビジネスも閉鎖されて、餌に困り店に助けを求めたか、週末に嵐があったので、高波を受けてビーチに押し出されたのかもしれません。

いずれにしても、これまで人間から食べ物をもらっていただけに、自分で餌を見つけられず、体重も減っていたのでしょう。

 現在、パカロロは保護区で人間のケアを受け快適に過ごしており、順調に回復しているということだ。

written by Scarlet / edited by parumo
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