世界の福本豊〈プロ野球“足攻爆談!”〉「不振の近本よ『おいあくま』やで」 (2/2ページ)
近本は真面目な子で、チームの成績が悪かったから余計に悩んだと思う。でも、どんな打者にもヒットが出ない時はある。ましてや開幕当初は投手もまだ元気やし、コースに決められれば簡単には打てない。僕もオールスターまで打率1割台に苦しんだ年(1975年)がある。前の年に3割2分7厘打って油断していたわけやないけど、開幕からまったく打てんかった。オフにゴルフをたくさんやらされたのが原因の一つかもしれん。バットのヘッドが下がり、下からすくい上げるような感じになっていた。幸い、チームの成績はよかったから、救われる部分はあった。開き直って「早く投手がバテる8月、9月になれ」と思っていたもんや。
僕は阪急の先輩の中田昌宏さんに教わった「おいあくま」という言葉を大事にしていた。「怒るな、威張るな、焦るな、腐るな、迷うな」。焦っても、迷っても、いい結果は転がり込んでこない。近本も焦らず、迷わず、腰を据えて野球をやってほしい。
今年は球宴休みもない過密日程の特別なシーズン。いつにも増して「打高投低」になる可能性が高い。近本も必ず巻き返してくると思う。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。