新大関・朝乃山インタビュー「6月も1日10番以上は相撲を取る稽古を」
7月19日、春場所以来4か月ぶりになる大相撲七月場所が幕を開けた。新型コロナウイルス感染対策として、従来の名古屋市での開催ではなく、東京・両国国技館での異例の開催。
七月場所の「目玉」は、なんと言っても、春場所後に大関昇進を決めた朝乃山だ。2016年春場所の初土俵から、わずか4年で新大関となった朝乃山は26歳。
「大関デビュー」は2か月遅れとなってしまったが、188センチ、172キロの伸びやかな体躯は、「次期和製横綱」の呼び名も高い。大注目の朝乃山に話を聞いた。
※ ※
ーー遅ればせながら、大関昇進おめでとうございます! 昇進が決まってから約4か月がたちますが、その間、どのような心境で過ごされていましたか?
朝乃山(以下=朝) ありがとうございます! 3月の春場所も、コロナウイルスの影響で、無観客開催、外出自粛など、厳しい状況の中での15日間でした。春場所後も(外出できないなど)自粛生活が続いていましたけれど、ネガティブなことを考えずに、ふだん通りの生活をしようと心がけていました。
ーー具体的には、どのような日常を送られていたんですか?
朝 高砂部屋の稽古場では基礎運動を中心に体を動かして、6月に入ってからは部屋の力士と1日10番以上は相撲を取る稽古をしていましたね。相撲協会から接触密度が高いぶつかり稽古は禁止されていましたが、師匠(高砂親方=元大関・朝潮)の方針で、実際の相撲の感覚を忘れないためにも……と相撲を取っていました。本場所が近くなってから、急に相撲を取ったわけじゃなく、ずっと変わらずやってきたということが、自信になっています。
朝乃山英樹、26歳。富山で過ごした小学生時代から相撲に親しみ、富山商高から、近大へ進学。16年春場所、三段目付出で初土俵。17年春場所、新十両に昇進、秋場所、新入幕で敢闘賞を受賞するものの、その後は、幕内中位〜下位の地位に低迷していた。
■トランプ大統領からの表彰
ーー朝乃山関と言えば、元号が令和に変わってすぐの昨年夏場所、前頭8枚目での初優勝。表彰式ではトランプ米大統領から、「米大統領杯」を授与されたことでも話題でしたね。
朝 ハイ。あのとき、自分は幕内力士として11場所目。それまでの最高位が前頭5枚目ですから、優勝できるなんて思ってもいなかったです。ですが、場所が進んでいくにつれて、優勝戦線に加わって、2敗で迎えた13日目の栃ノ心関との一番は完璧に「負けた」と思ったんですが、軍配差し違えで勝ちを拾った。14日目の大関・豪栄道関戦で優勝を決めましたが、肝心の千秋楽は負けてしまった。最後を締められずに、トランプ大統領から表彰を受けたのは、ちょっと恥ずかしかったけれど、一生の思い出になりました。
ーーこの平幕優勝で、地元・富山は大フィーバーに沸き、祝賀パレードなども行われましたね。今、「朝乃山富山後援会」は1700人も会員がいらっしゃるとか?
朝 ありがたいことです。高校相撲部の恩師、浦山(英樹)監督の同級生が中心になって運営してくださっています。(16年、40歳の若さで亡くなった)浦山監督からは、入門するとき、「富山のスーパースターになりなさい」と送り出されたんですが、その遺言は、いつも巾着に入れて持ち歩いています。
ーー自粛期間中は後援会の方から、さまざまな差し入れが届いたそうですね?
朝 ハイ。富山後援会には、女優の柴田理恵さん、室井滋さんも入会してもらっていて、おいしいお肉などを部屋に送っていただいたんです。もちろん富山だけでなく、全国の方からも、いろいろな食べ物を差し入れていただいて、日々のちゃんこの買い出しも自由に行けない中、感謝の気持ちでいっぱいです。
ーーありがたいことですね。相撲の話に戻りますが、大関は昨年の初優勝以降、格上力士のもとに出稽古に行っています。昨年の名古屋場所前には、「(朝乃山は)私の後継者と
なって相撲界を引っ張ることになる存在なのかも」と発言した白鵬関のもとにも行かれましたね?
朝 いやぁ〜。その発言を(横綱が)どういう意味でおっしゃったかは分からないんですが、恐れ多いですね。そうやって気に留めてくださるだけでうれしいです。優勝した翌場所(昨年名古屋場所)、番付が前頭筆頭までポーンと上がって、横綱・大関全員と対戦する地位になりました。横綱の胸を借りたい一心で出稽古に行ったんですが、圧倒されました。
現在発売中の『週刊大衆』8月3・10日号では、元大関・照ノ富士のインタビューも掲載している。