石原さとみ『アンサングシンデレラ』好発進も不安をぬぐえぬ3つの理由

日刊大衆

石原さとみ
石原さとみ

 女優の石原さとみ(33)主演のドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)の第1話が7月16日に放送され、初回平均世帯視聴率が10.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好スタートを切った。

 同ドラマは荒井ママレの同タイトル漫画の実写化で、国内の連ドラ史上初となる、病院薬剤師が主人公の医療ドラマ。石原演じる萬津総合病院の病院薬剤師、葵みどりが、患者ひとりひとりと真摯に向き合っていく姿が描かれる。

 当初は4月9日放送スタートの予定で、3月初旬からクランクインしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で撮影を休止。緊急事態宣言が解除されたことで、6月8日から撮影が再開された。

 また、出演が予定されていた俳優の清原翔(27)が、6月12日に脳出血で緊急手術。命に別状はないものの予断を許さない状態が続いており、治療に専念するために降板し、代役を成田凌(26)が務めることになった。

 新型コロナ禍のタイミングでの病院モノだったり、出演者の急病による降板など、運の悪い“呪われたドラマ”と呼ばれそうな予感がするが、同ドラマに感じられる不穏な影は、それだけではないようだ。

 まず、ロケ地の問題。第1話のエンドロールでは、複数の病院と大学が“撮影協力”としてクレジットされているが、撮影再開後は協力を得られていないようだ。石原はドラマの公式サイトで7月16日に公開されたインタビューで、「撮影が再開したら湾岸スタジオの中が“萬津総合病院”になっていました」とコメントしている。

 実際の病院を借りたロケ現場が、撮影再開後はスタジオの病院セットに代わったということなのだが、このことで医療ドラマとしてのリアリティが薄くなってしまわないか心配だ。初回では石原が患者を救うため、広い病院の中を疾走するシーンがあったが、撮影再開後の放送回では見られないのだろうか。

 続いて気になるのが、初回で発覚した石原の主人公としての存在感の薄さだ。最近演じていたのが、『高嶺の花』(日本テレビ系)の華道の名門のセレブ美女や、『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)の自己中で食いしん坊な女性作家などクセの強い役どころだったため、医師たちに軽視されながらも渾身的に働く役どころでは、少々、食い足りないところがある。

■石原さとみが食われそう?

 これには、共演者の女優の存在も大きく関係する。新人薬剤師の相原くるみを演じるのは元乃木坂46西野七瀬(26)で、話題のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)では、事件の黒幕役を最後まで見事に務めていた。その演技力の高さもあってか、今回は準主役並に登場シーンが多く、「つい石原よりも西野に目がいってしまう」という視聴者も少なくないようだ。

 また、薬剤部主任の刈谷奈緒子を演じる桜井ユキ(33)は、患者に深入りしてしまうみどりと対象的な、淡々と仕事を進めるタイプで、視聴者の間では「みどりより共感できる」という声も。桜井は『だから私は推しました』(NHK)で、地下アイドルにハマるOLを演じて注目を浴びた遅咲きの実力派女優で、このまま石原が存在感を示すことができなければ、この2人に食われてしまうかもしれない。

 そして、一瞬のことで見落としがちだが、劇中の演出に対する違和感もある。それは、放送開始から10分ほど経った頃。西野演じる相原が小児病棟の糖尿病患者の少女たちに自己紹介するシーンで、緊張する相原に少女たちが「お姉さん、カタいカタい」とダメ出しをし、相原が口元をヒクヒクさせて動揺したところだ。

 このとき、西野の口元の動きに合わせ、「クイックイックイッ」と効果音が唐突に入るのだが、バラエティ番組やコメディドラマならまだしも、この作品では場違いではないだろうか? スタッフの軽い遊び心かもしれないが、今後、人の命を扱う医療ドラマのシリアスな雰囲気を壊し、視聴者をシラケさせないか心配だ。

 初回から視聴率2ケタ超えと、まずまずのスタートを切った同ドラマ。懸念の声を吹き飛ばすような石原らの好演と、スリリングな展開を期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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