子どもの成長には養育費(婚姻費用)だけでなく、面会交流も必要/ADR(裁判外紛争解決手続)事業「ADRくりあ」を8月1日より開始 (2/4ページ)
厚生労働省の調査では、ひとり親家庭の半数が貧困の状態で、養育費を受け取っている家庭は約2割にとどまっており、養育費不払いが生活困窮の一因になっているとみられています。
別居親から養育費を徴収することで、ひとり親家庭の国への経済的依存(児童扶養手当や公的年金等)を減らす一方で、別居親が養育費の支払いに困難な背景(前科や低学歴、住居不定、疫病等、就労を妨げる問題)を抱えている場合、課題克服に向けた支援策の検討も必要になってきます。
一方、厚生労働省の平成28年度(2016年)全国ひとり親世帯等調査結果報告※1によると、「現在も面会交流を行っている」と回答した世帯は、母子世帯の29.8%、父子世帯の45.5%でした。面会交流が行われない背景には、離婚時に母子世帯の70.3%、父子世帯の66.9%が面会交流の取り決めをしていないという現状があります。面会交流の取り決めをしていない理由として母子世帯の25.0%、父子世帯の18.4%が「相手と関わり合いたくない」をあげており、父母の精神的な葛藤が面会交流の実現を阻んでいることがわかります。
■父母間の問題解決の難しさ
児童虐待防止法が改正された2007年にびじっとは代表理事古市理奈によって設立されました。
離婚・別居などの理由で離れて暮らす親子が交流を持つ「面会交流」は、子どもの自己肯定感を育むために必須であるだけでなく、ひとり親家庭の孤立を防止するという側面もありますが、上記調査からわかる通り、半数以上のひとり親家庭で面会が行われていません。
面会交流をおこなうためには理性的な話合いが必要ですが、離婚・別居に直面し心理的負荷が高まっている当事者間では理性的な話し合いの困難なケースは珍しくありません。面会交流をめぐる争いに子どもが巻き込まれ、いったん始まった面会交流を中止せざるを得ないケースもあります。
■びじっとのADR事業「ADRくりあ」について
紛争について裁判等を起こすのではなく、当事者以外の第三者が入ることによって、解決を図るのがADRです。裁判等に比べ手続が簡易であり、柔軟性・迅速性があることに加え、非公開性であり、面会交流支援経験者と弁護士が立ち会う専門性がメリットです。