夫婦を揺るがす「産後クライシス」 回避のために知るべきこと (2/3ページ)

新刊JP

東野:どちらかというと「慣れてくる」というのに近いです。2週間ほどで、赤ちゃんとの生活に折り合いがついてきて、新しい生活になじんできます。

ところが、この2週間のマタニティブルーズを乗り越えられない人が、約1割ほどですがいますね。それが、よく言われる「産後うつ」です。この産後うつを何とか減らしたいというのが、今回の本を書いた大きな理由です。

――今回の本では、マタニティブルーズや産後うつをきっかけに夫婦の関係が悪化する「産後クライシス」が一つのテーマになっていますが、女性の産後の変化が夫婦関係の悪化にどう関係するのでしょうか。

東野:まずはオキシトシンというホルモンの影響を知っていただきたいです。これは俗に「愛情ホルモン」と呼ばれるのですが、授乳の時とか陣痛の時、出産の時に大量に分泌されます。

このホルモンによって、女性は赤ちゃんが産まれた瞬間から愛情を感じることができて、授乳のたびに幸せな気持ちになります。それは頭で感じるのではなくて、自然にそういう気持ちが湧いてきます。

ただ、オキシトシンは強いホルモンで、愛情を感じて「産まれた子を守りたい」という気持ちが、妨害するものは「敵」とみなして排除しようという気持ちに結びつくことがあります。

――そこで夫やパートナーの男性が「敵」だと思われてしまうことがある。

東野:そうです。男性は女性と違ってオキシトシンはあまり分泌されません。今はコロナウイルスの感染拡大の影響で立ち会い出産はできないのですが、立ち会いができたとしても、男性は女性とは違って、自然に子どもへの愛情が無条件に湧いてくるわけではなくて、頭で考えて愛情を持つ。この違いは実は大きいのです。

この違いがどうあらわれるかというと、オキシトシンが大量に分泌されている女性たちは、パートナーの男性の言葉や態度を敏感に感じ取ります。何気なくかけられた言葉ひとつにイライラしたり、怒りを覚えてしまうことがある。たとえば、夫が子育てや家事で大変そうな妻を見て「手伝おうか?」とか「がんばって」と言うでしょう。

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