さまぁ~ず&くりぃむしちゅー「テレ朝深夜」打ち切り大攻防戦!
2020年も上半期が終わり、テレビ各局にとって重要な秋の改編期を迎えつつある。
新型コロナウイルスの影響により、各局の広告収入が激減している中、テレビ朝日では番組枠を巡ってビッグネームの芸人と局との“仁義なき戦い”が勃発しているようだ。
放送作家は話す。
「テレビ朝日では、深夜帯の大改編が行われるんです。一度、ほぼすべての番組を終了させ同枠をリセットし、20分程度の短い番組を多数、連続して放送することになるそうです」
現在、火曜日に放送中の千鳥がMCを務める『テレビ千鳥』は日曜22時55分に、金曜日に放送中の爆笑問題と霜降り明星がMCを務める『爆笑問題のシンパイ賞!!』は日曜21時55分に枠を移すことが発表された。
また、南海キャンディーズの山里亮太(43)、田中みな実(33)、弘中綾香アナウンサー(29)が出演する『あざとくて何が悪いの?』と、千鳥のノブ(40)と弘中アナの『ノブナカなんなん?』という2つの単発番組も土曜21時から22時台のレギュラー番組になることが明らかになった。
■ビッグネームでも関係ナシ
「『テレビ千鳥』や『シンパイ賞』などのように時間帯を移してリニューアルする番組もあるでしょう。しかし一方で、このタイミングで多くの番組が終了するといいます。
そしてなんと、さまぁ~ずとくりぃむしちゅーも対象になっているというんです。大竹一樹さん(52)と三村マサカズさん(53)のトークが人気の『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』と、有田哲平さん(49)と上田晋也さん(50)によるマニアックな企画で知られる『くりぃむナンチャラ』も打ち切りになりそうだという話ですね」(前出の放送作家)
『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』は2007年4月より、『くりぃむナンチャラ』は前身の番組を含めると2011年10月から続いているバラエティ番組だ。
「さまぁ~ずとくりぃむしちゅーといえば、お笑い界でももはやビッグネームのコンビですよね。
聞くところによれば、テレ朝が両コンビの事務所サイドに番組の終了の話を持っていったところ、“いやいやいや、ちょっと待ってください”という反応だったといいます。“若手ならともかく、まさかこのクラスでも打ち切りに!?”といった衝撃があったのではないでしょうか。
ただ、テレビ朝日としてもコロナの影響で広告収入が激減し、冬のボーナスゼロを覚悟している局員もいるほど。それぐらいテレビ朝日も尻に火がついているため、ビッグネームであるさまぁ~ずとくりぃむしちゅーの番組の打ち切りも検討せざるをえない状況にあるのでしょう」(芸能プロ関係者)
■個人視聴率では日テレにボロ負け
前出の芸能プロ関係者は話す。
「テレビ朝日がこれだけの危機感を持って秋の改編に臨んでいるのは、今春から評価基準が世帯視聴率から個人視聴率に移行したことも大きいんです。2019年から個人視聴率を導入した日本テレビは、実は10年以上前からスポンサー企業からの広告出稿が見込める13歳~49歳の、いわゆるコア層に見てもらえる番組作りをしてきていました。そのため、コロナ禍にあっても、他局と比べると広告収入の減少をまだ抑えられているといいます。
一方のテレビ朝日は今年4月から個人視聴率を導入。世帯視聴率で見ると日本テレビに匹敵する数字を獲得できていますが、CMが入る指標となる個人視聴率で見るとあまりかんばしくありません。
テレビ朝日を代表する『相棒』など、好調のドラマシリーズもメイン視聴者は広告出稿がそれほど見込めないといえるシニア層が中心ですからね。そのため、深夜枠でなるべく多くの番組をトライ&エラーで制作し、その中から若年層に刺さるヒットコンテンツやタレントを発掘したいという思惑があるのでしょう。
多くのタレントはテレビ局から打ち切りを迫られたら、逆らうことはできません。同じようにさまぁ~ずとくりぃむしちゅーという笑い界のトップクラスでも、テレビ朝日の大改編の波に逆らうなんて、なかなかできることではありません。ただ、これまでヒットを生み出し、局に大きな貢献してきた2組ですから、それぞれ“何とかなりませんか”と、タレントサイドと制作サイドで攻防戦が繰り広げられているそうなんです」
■1本50万円の超低予算
改編後の深夜枠では、番組1本あたりの制作費も大幅削減される見込みだという。前出の放送作家は言う。
「短時間の番組を連続で放送するというのは、制作費を極限まで削減するためでしょう。一般的に、深夜番組の制作費は1本200万円程度と言われていますが、今度の改編では1本50万円で制作するよう指示が出ているというんです。これには尻込みする制作会社が多数だといいますね。
ただ、逆に言うと、テレビ朝日としては、ここが生まれ変わりの“最後のチャンス”と考えているようです。業界騒然の大改革で、テレビ朝日の深夜枠から新たなスターやヒットコンテンツが生まれる可能性はあるでしょう。それでも制作会社にとってみれば、50万円という制作費は冗談みたいに安い額。それをやっていくためには、相当な工夫や努力が必要になるのではないでしょうか」
さまぁ~ずとくりぃむしちゅーという大物コンビでさえ番組打ち切りの危機に瀕するテレビ業界。行きつく果てにはいったいどんなコンテンツが残っているのだろうか――。