『ポツンと』実は『イッテQ』にW負け!迫る『相棒』落日とテレ朝窮地

日刊大衆

水谷豊
水谷豊

 テレビ番組の視聴率などを調査するビデオリサーチ社が、3月30日よりこれまでの世帯視聴率に加え、個人視聴率の発表を開始した。

「日本テレビは2019年から、より正確に誰にどの程度視聴されているかが分かる個人視聴率を全面導入しました。また、今春からはテレビ朝日も個人視聴率を重視する方針に切り替えたといいます」(制作会社関係者)

 6月30日、テレビ朝日の編成担当の西新取締役は「オールターゲット、あらゆる層の方に見ていただくのが、我々の狙い。時間帯によってはテレビの前にいらっしゃる層を選定しながら放送することもあると思いますが、全体としてはテレビ朝日を選んでくださる方、全体を狙って番組を作っていきたいと思います」と話した。

 現在、テレビ朝日系の番組では『ポツンと一軒家』が絶好調。これまで、日曜日20時台で長年にわたって絶対王者として君臨していた、日本テレビ系のバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』の視聴率を上回っている。

■広告収入では『イッテQ』にボロ負け

「ただ、それは世帯視聴率に限った話。7月19日の放送では『ポツンと』の世帯視聴率が17.3%、『イッテQ』が14.7%と『ポツンと』が上回っています。しかし、個人視聴率では『イッテQ』が10.5%、『ポツンと』が9.3%なんです。

 スポンサーには、年配層の視聴者より若年層を求める企業が多い。13歳から49歳までのいわゆる“コア層”が圧倒的に見ているのは『イッテQ』のほうで、広告収入も同番組のほうが高いんです。『ポツンと』に比べ、『イッテQ』に入ってくる広告収入は、なんと倍ほどだといいます。

 番組スタッフとすれば、“世帯視聴率はコッチほうがいいのに、収益2分の1ってどういうこと?”というところかもしれませんが、スポンサー企業にとっては、もう完全に個人視聴率が広告出稿の指標になっているということではないでしょうか」(前出の制作会社関係者)

■テレ朝でも番組制作費大幅カット

 今年度は新型コロナウイルスの影響もあり、多くのテレビ局においても広告収入が激減。各番組に億単位の制作費削減を迫っている局もあるとされる。

 テレビ朝日で働く放送作家は話す。

「もう制作体制の抜本的な改革を迫られていますよ。テレ朝の各番組でも、制作費はこれまでの3、4割カットだそうです。テレ朝局員も冬のボーナスの半減は覚悟しているみたいで、もしかしたらボーナスが出ない可能性もあるとか。さらに、個人視聴率を重視するという方針への転換で、テレ朝の看板ドラマシリーズ『相棒』もピンチを迎えるのではないかとささやかれているんです」

 水谷豊(68)が主演を務める『相棒』は2000年6月にスタートし、20年にわたって続く、テレビ朝日を代表するドラマシリーズだ。

「昨年10月から今年3月まで放送されたシーズン18も、平均視聴率は14.8%と高い水準を維持しています。ただ、この数字はあくまでも世帯視聴率です。

 今後は個人視聴率で評価されるわけですが、『相棒』のメイン視聴者層は高齢者。広告収入が期待できるコア層に区切ると『相棒』の個人視聴率はガクンと落ちるのは間違いないでしょうね」(前出の放送作家)

■一生安泰だと思われた『相棒』も……

 2018年3月に都内の高級ホテルで行われた『相棒 season16』の打ち上げと、放送回数300回突破を記念したセレモニーにはテレビ朝日の早河洋会長も出席。「今度は600回までやっていただきたい。600回となれば水谷さんは81歳。80歳はまだ若い!」とスピーチしている。

「早河会長のこの発言もあり、『相棒』は水谷さんがいる限りずっと安泰だと見られてきました。また、水谷さんは“自分が身を退いたら、ソリでそのまま続けてほしい”と、現在の相棒である反町隆史さん(46)に『相棒』を禅譲したいと、番組のスタッフや局の上層部などにも話しているといいます。

 ただ、世帯視聴率から個人視聴率に評価基準が変わってしまったことで、若いコア層が見ない『相棒』を続けていくことに疑問を持つ関係者も出てくるはず。コロナの影響で広告収入が激減していて、テレ朝としても余裕はないですから、本当に反町さんに禅譲されるとしても、それまで『相棒』が続けられるか、心配ですよね」(ドラマ関係者)

 テレビ界に激震が走った個人視聴率への移行。危機を迎えるのは『相棒』だけではないのかもしれない――。

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