先進国のワクチン争奪戦が勃発!国内でも広がる“コロナ治療格差”の現実 (2/2ページ)

Asagei Biz

前者は未だ感染力や毒性で不明なところが多い新型インフルのワクチンと季節性インフルのワクチンのどっちを優先して製造するかの問題で、後者は誰から先に接種していくかということです」(前出・ジャーナリスト)

 医療体制の中で何を優先させていくかに関しては、ワクチンの接種だけにかかわらず、コロナ対策を重視するあまり、他の疾病の処置が遅れたり、コロナのベッド数を増やしたことで全体の診療報酬を圧迫し、経営に跳ね返って経営難に陥る病院が多発している問題もある。

 こうした事情もあって、本格的なコロナ治療や入院に関しては、「医療従事者・社会機能維持者」が最優先され、その後に「医学的ハイリスク者(感染すると重篤化する可能性がある人)」、「成人・若年者」、「小児」、「高齢者」の4集団に分けられて優先順位が決められた。この社会機能維持者に政治家の先生方が含まれるべきかどうかという議論はさておき、医療従事者が最優先されるのは妥当な判断とも言える。

 そこで思い出されるのが、緊急事態宣言が出される前の4月、橋下徹・元大阪府知事が発熱して仕事をキャンセルし、PCR検査を受けた結果、陰性だったことをテレビで告白した際の事。発熱して高熱に苦しみながらもなかなか検査が受けられない状況が問題視されていた頃のことだ。生放送のテレビ番組内でこの告白を聞いた安住紳一郎アナから「やっぱり元大阪府知事だから優先してみたいなことあったんですか?」とツッコミを入れられて、橋下氏があわてた様子で「厳しい手順を踏みました」と説明する一幕があった。

 世界的なワクチン争奪戦が取りざたされる中、国内でもよりいっそう“格差”がさけばれることになるかもしれない。

(猫間滋)

「先進国のワクチン争奪戦が勃発!国内でも広がる“コロナ治療格差”の現実」のページです。デイリーニュースオンラインは、ファイザー製薬新型コロナウイルスワクチン社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る