三浦春馬とAAA秘話「春馬のような後輩が…」新たなスタート

日刊大衆

三浦春馬
三浦春馬

 7月18日に急逝した三浦春馬さん(享年30)。あまりにも早すぎる名優との別れに、“春馬ロス”が起きている。7月31日付の『スポーツ報知』では、三浦さんの出演ドラマや映画が、動画配信サイトの再生回数ランキングで上位を占めている、と報じている。

 過去作への注目が集まる中、8月2日付の『女性自身』では、2014年1月期に放送されたドラマ『僕のいた時間』(フジテレビ系)を取り上げている。

「『僕のいた時間』は、筋肉がどんどん衰えていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)を題材にした作品です。三浦さんは、ALSと闘う主人公を熱演していますが、記事によると、この作品はALSのドキュメンタリーを見た三浦さんが、プロデューサーへ直々に提案したものだといいます」(芸能記者)

 三浦さんは、この作品と『ラストシンデレラ』(フジテレビ系)での演技が評価され、第51回ギャラクシー賞の個人賞を受賞している。

「三浦さんは、仕事を通じて社会貢献をしたいと考えていて、それが『僕のいた時間』の提案につながったといいます。また、三浦さんが社会貢献について考えるキッカケとなったのが、自身も参加していたエイズ啓発運動“Act Against AIDS(以下、AAA)”だったといいます」(前同)

■キッカケはラジオでの投稿

 AAAは、1993年7月に活動をスタート。発起にかかわったのは、三浦さんの事務所の先輩である俳優の岸谷五朗(55)だったという。

「当時、岸谷がパーソナリティを務めていたラジオ番組に、エイズにかかってしまった少女から寄せられた投稿をキッカケに、“(エイズへの)正しい知識を知ってもらう必要がある”と考え、AAAを立ち上げたといいます」(前出の芸能記者)

 1993年からは、AAAの世界エイズデー(12月1日)のコンサートが開催されてきた。岸谷が主催した国立代々木第一体育館のコンサートのほか、サザンオールスターズ桑田佳祐(64)主催で日本武道館など、全6公演が行われた。

「その後、コンサート活動は、岸谷と寺脇康文(58)を中心に俳優らが参加する“THE VARIETY”や桑田が個人で行うものが開催されてきました。“THE VARIETY”は、日本武道館という大きな会場で行われ、普段は耳にすることのない俳優たちの歌声が聞けるとあって、ファンからの注目度は高かったんです」(前同)

 長らく岸谷と寺脇が活動の中心となっていた同イベントだが、新たな担い手が現れた。

「それが、2007年から出演していた三浦さんでした。三浦さんは、初参加から連続してコンサートに参加し、いつしか“THE VARIETY”の進行役、イベント前の記者会見にも岸谷さん、寺脇さんと共に参加。いち出演者からAAAの継承者のような立場になっていったんです」(芸能プロ関係者)

■「春馬のような後輩が……」

 2016年12月1日付の『CanCam.jp』のインタビュー記事で岸谷は、三浦さんについて「春馬のような後輩が出てくると思っていなかったです。春馬がAAAの活動に対して、自分なりの気持ちをすごく持っていて、本当に一生懸命参加してくれています」「いま春馬はひとりのつくり手側になろうとしてくれています。もちろん、他の後輩たちも頑張ってくれている気持ちは感じていますが、なかでも春馬に関しては、より強く感じていますね」と評価している。

 そして、もう1人の中心人物である寺脇も「彼は人間性も最高なやつですけど、若いときから才能を持ちながらもひねくれることなく、素直にいい青年に育ってくれてるので頼もしいですよ」と三浦さんに信頼を寄せていた。

「寺脇さんによると、三浦さんはイベントへの参加者を提案するなど、積極的にイベントと関わっていたそうです。三浦さんは、岸谷さんや寺脇さんとは歳が離れたミュージシャンや役者さんとも交流があり、そうした提案は非常に助かったといいます」(前出の芸能プロ関係者)

 AAAは、2018年の「THE VARIETY」で、エイズに対する理解が広まったこと、抗エイズ薬が進化し感染者が減少しているといった理由から、活動の終了を発表。そして、今年7月20日、27年間にわたった活動を終えたことが、AAAの公式ツイッターで告知された。

「“Act Against AIDS”としての活動は終了しましたが、今後はエイズだけでなく、難病に苦しむ子どもたちを引き続き応援していきたい、との想いから活動の名称を“Act Against Anything”に変更。日本武道館で行われていたイベントも“THE VARIETY SHOW27”として、今年から新たに行われる予定です。

 2018年のコンサートに先駆けて行われた会見で、“もっと岸谷さん、寺脇さんについていきたい”と話していた三浦さんも、中心人物として活動に参加してくれるものと思っていたのですが……」(前同)

■三浦さんのチャリティ魂

 AAAの活動終了を見届けることなく、旅立ってしまった三浦さん。しかし、ここで関わりが終わったわけではない。

「7月23日に、三浦さん2枚目のシングル“Night Diver”が8月26日に予定通り発売され、売上の一部が、認定NPO法人・フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANを通じてラオスのラオ・フレンズ小児病院に寄付されることが発表しました。重版が決まった三浦さんの著書『日本製』の売上も一部はこの病院に寄付されことが決まっています。

 実は、“THE VARIETY”の収益金を、医療設備の充実や医療スタッフの育成のために寄付しているのがラオ・フレンズ病院なんです。三浦さんは2016年の“THE VARIETY”で、同年10月にラオ・フレンズ病院を訪れたことを報告。その中で“現状は、主に海外のスタッフが病院運営をしている状態だが、僕たちが支援しているフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーの目指しているところは、この10年で現地スタッフだけでこの病院を運営できるようにすること”“その目的のために、まだまだ人材育成を必要としている”と訴えました」(前出の芸能プロ関係者)

 7月25日、フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANの代表・赤尾和美氏が三浦さんの過去3回の病院視察を振り返り、「“何ができるのか”“何をすればいいのか”と考えてくださっている真剣な横顔や、村の子供たちへのキラキラとした優しい笑顔は、これまでも、そしてこれからも、ラオスの全ての子ども達が健康になって欲しいという私たちの目指すゴールの大きな支えとなっています」とコメントした。

「ラオ・フレンズ病院のアウトリーチ(訪問)チームもフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPANの公式サイトを通じて、“ラオ・フレンズ小児病院のことを特に支援し続けて下さった春馬さんが、もう、私たちと一緒にいないと聞いて、とても悲しいです。この場を借りて、春馬さんがして下さったことに対して、心から感謝の意を示したいと思います。春馬さんのことは、ずっと私たちの記憶に残り続けるでしょう”と感謝を伝えています。

 こうしたコメントからも、三浦さんと病院の繋がりが深く、また現地の方にとって三浦さんが大事な存在だったことがわかりますよね」(前同)

 三浦さんが続けてきた支援。その思いを受け、これからも継続されることを願う。

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