いちまい、にまい…怪談「番町皿屋敷」悲劇のヒロイン・お菊の怨霊は、なぜ皿を数え続けたのか? (2/3ページ)
振られてしまった家来は逆恨みして、主膳の大切にしていた10枚セットのお皿を1枚隠して、お菊が紛失したかのように偽装したところ、主膳はまんまと引っかかってお菊を手討ちにしてしまいました。
「忌々しい小娘だ!さっさと送り返せ!」
お菊の亡骸は長持(ながもち。衣装箱)に詰められ、彼女の実家である相模国平塚宿(現:神奈川県平塚市)の宿場役人・眞壁源右衛門(まかべ げんゑもん)に送りつけられます。
「あぁ、何と酷い仕打ちを……」
当時、刑死した(無礼討ちを含む)者には墓を作らない風習があったので、源右衛門も空気を読んでお菊を埋葬した場所に栴檀(せんだん)の木を植えて墓標の代わりにしたそうです。
そして歳月が流れて昭和二十七1952年、平塚市の区画整理事業にともなってお菊の亡骸も移そうと調査したところ、伝承の通り栴檀の根元から亡骸が発掘。その場所は現在「お菊塚」という石碑が設置されています。
終わりにつまり、お菊は自分で皿を割ってしまったのではなく、逆恨みした家来に隠されてしまったからこそ「どこかにあるはず」と数を確認し、必死であと1枚を探していたのですね。