セルフコーチングで得られる3つの効果
自分なりに日々一生懸命頑張っているつもりだけれども、ふと振り返ってみると、自分の思った方向に進むことができていない、という方も多いはず。
そういった中、有効なのがコーチングです。
コーチングと聞けば、スポーツ選手のそれを思い浮かべる方も多いかと思いますが、ビジネスや恋愛、人生といったあらゆる方面で、有効に機能します。
とはいえ、そもそもどういったコーチを選べばいいのか? 悩みや目標を他人に開示して大丈夫なのか? といった不安、懸念があるのも事実。
そこで、今回はあえてコーチを選ばずに自らが行うセルフコーチングについて解説していきます。
■そもそもコーチングとは?
様々な定義がありますが、端的に言うとコーチングはクライアントが目標を達成できるように支援すること、だと考えてください。
コーチングの主な目的は、クライアントに気付きをもたらしたり、目標達成に必要な行動を促進したりすることなので、基本的に教えたり、助言するといった先導的な行為はしないのが特徴です。
コーチングでは、一方的にではなく、対話という手段を使って、本人(クライアント)のかなえたい夢や目標を明確にし、達成するための能力を引き出していきます。
思考し、実行するのは本人。コーチは対話をしながら、本人がマインドやスキルを身に付け、達成できるよう支援を行います。
コーチングとあいまいになりがちなティーチングという手法がありますが、ティーチングとは、経験や知識を一方通行で相手に教えることです。
セルフコーチングとは? コーチングとの違い
セルフコーチングとは、自分自身がコーチでありクライアントという、重複した役割を担い、目標に向かって行動することです。
セルフコーチングとコーチングの違いは、ずばり言うと「コーチ」が存在するか否かです。
セルフコーチングでは、コーチングを自らに対して行います。自らが気付いて、自ら必要な行動に取り組むのがセルフコーチングなのです。
セルフコーチングで得られる効果
ここでは、セルフコーチングによって得られる効果を紹介していきます。
◇目標達成のスピードが上がる
セルフコーチングもコーチングですから、きちんとやれば、通常のコーチングと同様の効果を得ることができます。
また、自分でコーチをやるのですから、わざわざ他人にコーチング依頼するという心理的な障壁はなく、コストもかからないし、時間や場所の制約もありません。
そのため、うまく機能すれば、通常のコーチング以上に、目標達成のスピードが高まることが期待されます。
◇自主性や自律性が育まれる
自らがコーチでクライアントになるわけですから、主体的に行動しないと何も始まりません。
またコーチングの一連のプロセスを通じて、現状の課題を認識し、自らその改善策を考え行動していくので、自律性も培われていきます。
◇相手を理解する力が身に付く
話を聞く側のコーチと話を伝える側のクライアントという両方の役割を全うする取り組みを通じて、相手を思いやる気持ちを会得することができ、相手の立場をきちんと理解できるようになります。
例えば、相手に嫌な感情を抱いた時に、「何が原因で、私はこのような嫌悪感を抱いているのか?」とコーチとして問いかけるようになると、自分が相手に抱いている真の思いやその有効な対策に気付き、相手との良好な人間関係を構築することもできるでしょう。
■セルフコーチングのやり方と注意点
まずは、セルフコーチングを始める前の注意点から紹介していきます。
◇セルフコーチングを始める前の注意点
セルフコーチングを始める前の基本的な注意点を3つ挙げます。
☆コーチングに関する知識が必要
コーチ役を担うのですから、ある程度のコーチングに関する知識は必須になります。
ただ、本物のプロコーチを目指すわけではないので、関連書籍を購読する、試しにコーチングを受講してみるくらいで十分ですが、最低限の知識は得ておくようにしましょう。
☆コーチングに適したテーマを選ぶ
コーチングは、他と比べて効果が出るまで手間暇がかかる手法ですから、例えば、スピード重視のテーマを選んでも、望む効果は生まれません。
テーマ選びを含め、既述の通りコーチングに関する最低限の知識は得ておきましょう。
☆やってみること、継続すること
とっつきにくいからなかなか着手に至らない、もしくはやってみたけれども、思ったような効果が出ない、といって進まないケースが多いのが、セルフの最大の特徴です。
手間も時間もかかりますが、機能すれば大きな成果が得られるセルフコーチング。まずは自分と向き合う時間をしっかり用意した上で始めてみて、そこから粘り強く続けていきましょう。
◇セルフコーチングのやり方
セルフコーチングも通常のコーチングと同じですが、そのやり方について、簡単に解説します。
☆STEP1:目標を設定する
まずどうなりたいか、どうしたいのか、を自問自答してください。
この時点ではまだ曖昧でまとまっていないでしょうが、それで構いません。
できれば大きめの紙とペンを使って、ラフスケッチで良いので、「~したい」というものをどんどん思いつくままに書き出してみてください。
☆STEP2:現状を把握・分析する
漠然とでも目標が定まったら、その目標を達成するために、障壁となっているものは何か、マイナスの結果となっているのは何かを把握します。
例えば、痩せたいと思っているのに、なかなか痩せられない、としましょう。現状を振り返ってみて、運動不足だったり、間食や甘いものがやめられなかったり、というような原因を把握・分析していきます。
☆STEP3:行動計画を策定する
原因がつかめたとしたら、次に行動計画に落とし込んでいきます。
例えば、3カ月で6kg痩せるとした場合、できるだけ運動をする、間食は控える、といった漠然としたものではなく、時間軸を意識して具体的な内容に落とし込んでいきます。毎日の通勤時には階段を使う、間食は1日おきにする、といった具合です。
ただし、この3カ月夕食は摂らない、というような無理をすると続きませんから、実現の可能性が高い計画を立てます。
☆STEP4:行自らでPDCAサイクルを回す
ここまでできたら、最後は進捗管理になります。
自らでPDCAサイクルを回していきます。PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のことです。
セルフコーチングで、計画通り進んでいるかどうか、進んでいないとなると何が原因なのかを把握し、対策を打っていきます。
例えば、通勤時に階段を使うのはなかなか難しいとなれば、その代わりの運動として、仕事が終わった後や休みの日にウォーキングを1時間やる、といった行動計画を策定し直して、実践していくのです。
■セルフコーチングのポイント
コーチングでは、相手に問いかけることによって思考や行動のきっかけを得ることができますが、セルフコーチングでは、自分自身に問いかけていく必要があります。
ただ、自問自答するがゆえに、過去の経験や習慣にとらわれた大まかな答えを導き出していることがあります。
そのため、新たな気付きを得るための創意工夫が必要になってきます。
◇普段意識していないことについて考えてみる
例えば、自分にとって何か重要な選択、決断をする時には、それこそ深く考え悩むことでしょう。
ただ、それだと過去の経験や慣習にとらわれてしまうことが多く、それを深堀しても新しい気付きは生まれにくいです。
そこで、ふと感じたことや思ったこと、何気なく行ったことについて、なぜそう感じたのか、思ったのか、どうしてそんな行動を取ったのかを、あえて考えてみます。
普段意識する機会なんてまるでなかったことですから、きっと新たな気付きを得ることができるでしょう。
◇過去に固執せず、未来志向の問いかけに終始する
「こんな事態に陥ってしまったのは、一体何が原因なのか?」「なぜ私はこういったことを繰り返してしまうのか?」といった過去のネガティブな悩みを掘り返しても、新しい気付きは得にくいです。
だからその逆で「この先、どのようにすればうまくいくのか?」や「いつまでにどのような状態になっていれば望ましいのか?」といった、未来志向の問いかけに終始していくと、新しい気付きを得やすくなります。
◇ポジティブ思考で問いかけてみる
例えば、期限が迫ってきた重要なプレゼン資料の作成。
「もう残り2日しかない」か「まだ2日もある」では、同じ現実であるにもかかわらず、その後の行動にも大きな影響が出ます。
まず、この現実と思考は切り離して考えるべきで、既述の通りネガティブに考えても、新しい気付きは得にくいのです。
また、一人だとどうしてもネガティブな思考に陥りがちになりますので、ここはあえて意識的に、「ネガ→ポジ変換」して自らに問いかけていきましょう。
「まだ2日もある、この間で一体、何をどのように進めていこうか?」となれば、心に余裕ができて、視点も選択肢も一気に広がるはずです。
自分の可能性を広げるセルフコーチング
コーチとクライアント、一人二役をこなすのは大変、と思いがちです。
しかし、自ら秘密にしておきたい情報をわざわざ他人に開示する必要はないですし、自分のことを一番理解しているのは自分なはずです。
うまく機能すれば、理想の自分に近づくための有効な手法ですし、取り組むには特段の設備や投資も不要で、大きな失敗もないのでハードルも低いです。
自分自身の可能性を広げ、モチベーションを向上させたい時に、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
(中谷充宏)
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