「幸いです」を使わない方が良い場面とは (4/4ページ)
◇さらに格式を持たせるなら「幸甚に存じます」
さらに格式を持たせるなら、「幸甚に存じます」となります。幸せであることが甚だしいというのを熟語で表した言い回しです。
例えば、多忙な取引先にご足労いただく場合などには、「○○様にはご多忙中、大変恐れ入りますが、お運びいただけましたら幸甚に存じます」と、丁重にお願いをします。
また、あいさつ状やお礼状などでは「○○していただき、幸甚の至りです」と書きます。さらに思いがけない幸せの時には「望外の喜びです」というフレーズも用いることもあります。
◇会話には向かない表現もあるので注意!
これらは文章で用いられる格式ばった表現で、会話には向きません。多忙な方や役職の高い方、著名な方にお願い事をする場合に使います。
幸甚という言葉そのものが格式高く、かなり気を使う場面でこそ生きてくる表現です。
日ごろのビジネスシーンでお願いや感謝を述べるなら、クッション言葉に「幸いです」を加える形で十分です。
無理をして使い慣れない言葉を多用するよりも、文章全体を丁寧な表現に統一するよう心を配りましょう。
■言葉遣いは相手や状況に合わせて!
同じお願い事をするにしても、相手や状況によって言い方を変えるだけで知性と品性を表すことができます。特に「幸いです」は女性らしい柔らかさを含みながらも角が立たない上手な言い回しです。
時にはクッション言葉をプラスしたり、ここぞという場面に格式の高い表現を用いたりして、言葉のバリエーションを増やすと、よりきちんとした印象を与えることができ、仕事を円滑に進められます。
(古谷治子)
※画像はイメージです