安藤サクラ“完脱ぎ”映画『白河夜船』~これぞ国民的女優!のアッパレ全裸

まいじつ

安藤サクラ“完脱ぎ”映画『白河夜船』~これぞ国民的女優!のアッパレ全裸

作品目『白河夜船』

コピアポア・フィルム 2015年 DVD発売中
監督/若木信吾
出演/安藤サクラ、井浦新、谷村美月、高橋義明ほか

〝半沢直樹〟こと堺雅人主演の映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』(17年)での〝死神〟役の撮影終了後に産休に入り、現在は露出セーブ気味の個性派女優・安藤サクラだが、テレビ東京の深夜のミニドラマ『きょうの猫村さん』などでは、クセの強い近所のオバサンで登場したりと、依然として存在感を示している。18年のNHK朝ドラ『まんぷく』で〝国民的女優〟にもなった彼女だが、そのちょっと前は〝脱ぎっぷり〟でも群を抜いていた。その中の1本がこの作品だ。父がベテラン俳優にして映画監督でもある奥田瑛二、母がエッセイストの安藤和津という大物二世女優でありながら、親の七光りだけでなく、『0.5ミリ』『百円の恋』などで14年度の毎日映画コンクール、キネマ旬報、ヨコハマ映画祭など、主演女優賞をほぼ独占するほどの実力派だけに、全編ベッドシーンだらけ!のこの映画は〝お宝〟でもある。

〝添い寝屋〟をしていた友人の自殺に衝撃を受けた寺子(安藤)は、妻が植物状態の岩永という男(井浦新)と不倫中だ。普段は仕事もせず、自室でひたすら寝ていて、岩永の電話で目が覚めるといった日々を過ごしている。電話の後、〝いつもの橋の上〟で待ち合わせて高層ホテルへ行く2人。やがて、寺子の中で、夢と現実の境界線も徐々になくなってゆく…。

全編のほとんどがベッドの上という異色設定のドラマ

人気作家・よしもとばななの原作を映画化した若木監督は写真家でもあり、詩的な世界観を充満させる。「いつから私は独りでいるとき、こんなに眠るようになったのだろう…」と独白するように、〝夢うつつ〟状態の若い女性を安藤は見事に演じている。独り寝の女性の寝姿、寝乱れ姿は艶っぽい。ここでは股間の恥骨部分をけだるく持ち上げるようなワイセツ・ポーズをするあたりもいい。不倫相手のいない時間は、ベッドの上でバスト丸出しの安藤がモソモソと寝っ転がったり、ベッドの端から頭を逆さにし、おっぱいものけぞるシーンなど、もはや脱いでいることが当たり前なほどだ。

ベッドシーンでは、安藤、井浦が全裸で抱き合い、正常位で合体する。事後、ベッドから起き上がる安藤はわざとらしくシーツで胸を隠すなんて野暮で不自然なことはしない。濡れ場だけでなく、事前事後の2人が交わす寝物語とか、死んだ女友だちと添い寝する幻想的なシーンとか、全編のほとんどがベッドの上という異色設定のドラマでもある。

〝寝る〟という行為の中で戸惑い、現実と幻想を行きつ戻りつする彼女がエロい。何とも、文学的ワイセツさを感じる。安藤サクラのイメージを心地よく裏切ってくれる佳作でもある。

(映画評論家・秋本鉄次)

「安藤サクラ“完脱ぎ”映画『白河夜船』~これぞ国民的女優!のアッパレ全裸」のページです。デイリーニュースオンラインは、白河夜船完脱ぎ秋本鉄次安藤サクラ映画エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る