８月６日に出そろった在京民放キー局５社の２０２０年４～６月期の決算が、大きなインパクトを与えている。

「新型コロナウイルスの感染拡大で、イベントの中止が相次いだこと、広告収入が激減したことで、テレビ東京ホールディングス（ＨＤ）以外の４社の最終利益は減少しました。特にフジ・メディアＨＤは壊滅的で、前年同期比９０.６％減の２０億円と最大の落ち込みを記録しました。

　また、各番組の視聴率が絶好調で“勝ち組”と言われてきた日本テレビＨＤは８１.７％減と、フジ・メディアＨＤに次ぐ落ち込みを記録。これはイベントの中止など、コロナ関連で約３０億円の特別損失を計上したことが響いたといいます」（夕刊紙記者）

　最大の落ち込みを記録したフジテレビでは、安藤優子（６１）がＭＣを務める『直撃ＬＩＶＥ　グッディ！』を打ち切って、坂上忍（５３）の『バイキング』の放送枠を１時間拡大するなど、急ピッチで改革を進めているという。

■小倉智昭＆カトパンにもリストラの波

「当初は、坂上さんのパワハラ問題が取り沙汰された『バイキング』が打ち切られることで調整が進められていました。ところが、安藤さんの年間ギャラは１億円超。この高額ギャラがネックとなって、安藤さんの半分程度のギャラで済む、坂上さんＭＣの『バイキング』が残ることになったという話ですね。

　また、小倉智昭さん（７３）がＭＣを務める『とくダネ！』も来年３月には終了する見込みです。視聴率低迷が続くフジテレビでは、各番組に億単位の制作費削減が迫られています。そのため、安藤さんや小倉さんのような高額ギャラの“フリーキャスター”から切っていく方針だといいます。

　現在、夕方の報道番組『Ｌｉｖｅ　Ｎｅｗｓ　ｉｔ』でＭＣを務めている加藤綾子さん（３５）も、今後半年で視聴率を伸ばすなど、結果を出さないとリストラされるのではないかと、関係者の間ではささやかれていますね」（制作会社関係者）

　フジテレビに次ぐ落ち込みを記録した日本テレビでも今後、抜本的な改革を進めることになるという。

■夏目三久も『バンキシャ！』から……

「日本テレビでは、長期間続いている番組の“メインＭＣ以外は全部切る”というくらいの勢いで改革を進めるといいます。リーマンショック後、制作体制の見直しがあったここ１０年ほどで立ち上げた番組と、それ以前から続く老舗番組だと、後者の制作費のほうが倍近く高いそうですから。

　そういった番組には“ギャラは高いのに若年層の視聴率は見込めない”というタレントがたくさん出演していますからね。

　当然、フジテレビと同じように、日テレでもフリーキャスターがリストラの対象に挙げられていて、『真相報道　バンキシャ！』に出演している夏目三久さん（３６）も、来春に降板することになるのではないかとささやかれていますね」（前出の制作会社関係者）

　テレビ離れが進む中で起きたコロナショックにより、フリーキャスター受難の時代が到来している現在、“１人勝ち”のキャスターがいるという。

「元バドミントン選手で、現在は日本テレビ系の報道番組『ｎｅｗｓ　ｅｖｅｒｙ.』（以下、エブリィ）でキャスターを務めている陣内貴美子さん（５６）ですよ」（民放キー局ディレクター）

■笛吹アナ以上の「好感度」

　陣内はバドミントン選手として１９９２年のバルセロナ五輪に出場。引退後はスポーツキャスターとして活躍してきた。

「陣内さんは『エブリィ』の前々身番組である『ＮＮＮニュースプラス１』で、２００４年からスポーツコーナーを担当。その後、『ＮＮＮ Ｎｅｗｓリアルタイム』を経て、２０１０年に『エブリィ』にリニューアルした際、藤井貴彦アナ（４８）とともにＭＣに就任したんです。

　実は番組スタートにあたって、前身の『リアルタイム』でＭＣを務めていた日本テレビの笛吹雅子アナ（５２）と陣内さんの“どちらかをＭＣにするか”という話が浮上したんです。その際、日本テレビはリサーチ会社を使って、笛吹アナと陣内さんの“どちらの好感度が高いか”を調査しました。

　日テレサイドは当然、『リアルタイム』でメインを張っていて、美しく落ち着きもあってニュースもしっかり読める笛吹アナのほうが好感度が高いと予想していたのですが、調査の結果、意外にも笛吹アナの好感度がそれほどでもなく、陣内さんの好感度が高いことが判明したんです。

　日テレとしてはアナウンサー出身でもなく、ニュースも上手く読めない陣内さんのほうが高いというのは意外な結果だったんですが、その調査の結果を信じて『エブリィ』には陣内さんを起用したんです」（放送作家）

■ギャラは安藤優子と変わらない！

　２０１０年にスタートした『エブリィ』は、平均世帯視聴率１０％超えが当たり前で、時には１５％前後を記録することもある。

「同時間帯では、ＮＨＫのニュース番組よりも視聴率がよく、その他、民放の『スーパーＪチャンネル』（テレビ朝日系）、『Ｎスタ』（ＴＢＳ系）、『Ｌｉｖｅ　Ｎｅｗｓ　ｉｔ』（フジテレビ系）にはダブルスコアをつけることもあるほど。『エブリィ』からそのまま、チャンネルを変えることなく日テレのゴールデン帯の番組を見続ける視聴者も多く、日本テレビの屋台骨を支える番組という評価になっているんです。

　陣内さんの存在がすべてではありませんが、リサーチ会社の調査を信じたことで、番組開始から１０年経った今も番組は好調を維持しています。ただ、決して笛吹アナが悪いというわけではなく、適材適所で、夕方の枠には陣内さんの方があっていたということではないでしょうか。たとえば夜の報道番組だったら笛吹アナのほうがハマる可能性もありますからね。陣内さんの明るさ、かわいらしさ、庶民感が、夕方の視聴者層にハマったということでしょうね。

　フリーキャスターにリストラの大きな波が襲いかかる中、陣内さんは今後も『エブリィ』の人気を引っ張る存在として絶対安泰だと言われています。陣内さんのギャラは１本４０～５０万円ほどとささやかれています。年間にすると１億円超えで安藤優子さんとも変わりませんが、それでも『エブリィ』は絶好調ですから、切られることはないでしょうね」（前出の放送作家）

　実は日本テレビを支えていたのは、陣内貴美子だった!?