竹内涼真も要潤も!『仮面ライダー』高橋文哉語る特撮俳優の試練!

日刊大衆

高橋文哉(画像はNEWSポストセブン公式ツイッター『@news_postseven』より)
高橋文哉(画像はNEWSポストセブン公式ツイッター『@news_postseven』より)

 9月10日発売の『女性セブン』(小学館)に、『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)の主演として1年間駆け抜けた高橋文哉(19)のグラビアと、100問100答企画が掲載された。私生活や子どものころの思い出、仮面ライダーの撮影などさまざまなことに答える内容だったが、特に注目されたのが“朝”の話だったという。

「“いまでも5時から6時に1回起きちゃう”“起きる1時間半前から15分おきにアラームをかける”といった、早起きに関する話題がいくつかありました。『ゼロワン』開始直後の19年9月の『MonoMax』のインタビューでも、家に3つ目覚まし時計があることや、朝に弱いことを話していましたね。これは、仮面ライダー俳優にとって“通過儀礼”の1つなんですよ」(特撮ライター・トシ氏=以下同)

 仮面ライダーシリーズといえば、特に平成以降は07年の『電王』で佐藤健(31)、09年の『W(ダブル)』で菅田将暉(27)、15年の『ドライブ』で竹内涼真(27)などなど、数多くのスターたちの「若手俳優の登竜門」となっている。しかし、『仮面ライダー』という特殊なジャンルだけに、撮影は一般ドラマに比べてかなりハードだという。

 15年放送の『ライオンのごきげんよう』(フジテレビ系)では、当時最新作だった『ドライブ』で主演を務めていた竹内が、初代ライダーである藤岡弘、(74)と撮影のキツさについて語っていた。

■竹内涼真も味わった仮面ライダーの洗礼

「竹内も高橋と同じく、“撮影で大変なことは”という話題に“とにかく朝が早い!”と熱弁。撮影所の近くに住んだばかりに寝坊してしまい、落ち込んだことも明かしていました。朝6時入りで翌日の朝4時に撮影が終了し、5時間後の9時入りという鬼スケジュールな日もあったそうです。

 当時の竹内は役者として素人同然だっただけに、精神的にもキツかったでしょうね。藤岡さんも当時を振り返り、“1時間、2時間しか睡眠のないことは当たり前”“気付くと玄関で寝ていた”と話していました。昔に比べるとかなり改善されたとは思いますが、やはり大変な現場なんですよ」

 18年に『東映特撮ファンクラブ』で配信された『仮面ライダージオウ』の裏話を語る企画では、2号ライダー『ゲイツ』を演じた押田岳(23)のあるワンシーンのスケジュールを明かし、

「朝から2時間かけてロケ場所に行く→5時間待ちで撮影→2時間かけて帰宅→該当シーンが尺の都合で全部カットされて1日の苦労がパーに」

 という悲しい“あるある”を『ジオウ』キャストが自虐的に紹介していた。

 ちなみに、『ジオウ』は、『恋はつづくよどこまでも』、『MIU404』(いずれもTBS系)に立て続けに重要なポジションで出演し人気俳優の仲間入りを果たしつつある渡邊圭祐(26)のデビュー作でもある。ヒロインを演じた大幡しえり(21)もこの作品で知名度を上げ、20年に『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)で物語の核心に関わる重要な役を演じていた。

■佐藤健と渡邊圭祐は当時からすご腕だったが…

「そこそこキャリアのあった大幡と違い、渡邊はクランクインの3日前までは仙台の古着店で働いていたまさに掘り出し物です。序盤から演技力も高く、中盤には変身ベルトを与えられ、“並行世界の自分”というややこしい1人2役も演じ切り、最終的には『仮面ライダーウォズ』として大活躍しました。番組冒頭の視聴者への語りも担当していて、デビュー作とは思えない堂々とした演技をしていましたね。

 また、同じ事務所の佐藤健が出演していた『電王』はさらにすごい。“主人公に怪人が憑依する”という設定で、声は声優が吹き替えていますが当時キャリアの浅い佐藤に、1人5役を演じさせたうえ、声優とデュエットで全員分のキャラに合わせたキャラソンまで出していた。演歌風やヒップホップ風など、さまざまなアレンジの歌を佐藤は見事に歌い上げていました」

 佐藤の才能を見出した1人である、東映の武部直美プロデューサーは、当時、佐藤が楽しそうにオーディションを受け、見事にスタッフの解釈通りの演技をしていたことを振りかえり、

「200人くらいに会ってお芝居を見せてもらったけれど、健くんが唯一でした」

 と、18年の『livedoorNEWS』のインタビュー企画『平成仮面ライダーを振り返る』で明かしていた。

 佐藤は18年12月に、仮面ライダーの映画『平成ジェネレーションズFOREVER』にサプライズ出演した際は、「ほぼゼロからすべてを教えていただいた僕の原点」とコメントしていて、大スターとなった現在も『電王』を大切に思っていることが分かる。

「しかし、全員が最初から演技派なわけではない。たとえば竹内は『ドライブ』初期は表情に締まりもなく、セリフも棒読みだった。当時は“主役にしてはフツメン過ぎない?”と言われたほどです。もちろん、その後演技力はみるみるうちに成長し、顔つきも“国民の彼氏”と評されるほどに成長しました。

『ドライブ』の竹内は刑事役で、1年間スーツを着続けていたため、ほかのドラマでもスーツが着こなせる男になったのも、キャリアに大きな影響を与えたでしょうね。竹内は“仮面ライダー(俳優)になる”が役者として1つの夢だったことをたびたびバラエティ番組などで明かしています」

■要潤はこの作品を通じて”役者”になった

 竹内以上に、最初期の演技がイマイチだった俳優に要潤(39)がいる。要は、01年の『仮面ライダーアギト』に氷川誠こと、仮面ライダーG3が俳優デビュー作だったのだが……。

「今年1月7日にYouTubeで本人が『今だから話せる撮影秘話。』という動画を投稿しています。当時は“ハイ”と一言話すだけのシーンを20回やってもうまくいかず、落ち込んだ話をしています。また、演技がダメだったことから厳しい監督に、撮影したシーンをお蔵入りにされたしまったこともあったとか。しかし、最後には要のガッツを評価し、撮影後に無言で要の肩を叩き微笑んでくれた、と思い出を明かしています。このエピソードを要は”俳優として目覚めた一瞬だった”と、思い入れ深く語っていまいたね」

 初期こそ棒読みだった要だったが、その後はやはり目覚ましい成長ぶりを見せ、本編中盤で公開された劇場版『PROJECT G4』では完全に役を掴み、敵との決着の場面で要が脚本にないセリフをアドリブで入れるまでになった。この場面は、現在もファンの間では評価が高く、名場面として必ず話題になるほどだという。

■演技力よりも輝くものを持っている人がライダーになれる

「いまやカメレオン俳優の異名を持つ菅田も、『W』当時は史上最年少の16歳で、当時は本当に不安だったとたびたび語っています。

 今年8月15日の『サワコの朝』(TBS系)では、“ライダーの歴史を背負う責任感みたいなところを最初に持つのかもしれない”“一番最初に1年間以上かけてひとつの役を作るという作業を丁寧に行えることが、『表現』というものを学べる貴重な機会だった”と、“仮面ライダー俳優”の強みを話していました」

 先述の『平成仮面ライダーを振り返る』で、初期から平成ライダーシリーズに関わってきた白倉伸一郎プロデューサーは若手俳優のオーディションについて、

「芝居ができる、できないはわりと関係なくて。……というか、できなくて当然だと思うので、伸びしろがあるかどうか、理解力があるかどうかを見るんですよね」

 と話していた。当初は演技がヘタだった要や菅田、竹内らがのちに演技派俳優として大活躍しているのを見ると、非常に説得力のある言葉だ。

 竹内や菅田もそうだったが、仮面ライダー俳優が一般ドラマでブレイクする王道の流れに、「NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)に出演する」というのがある。

「令和の1号ライダーという看板」「キャリアが浅い段階でコロナ禍というイレギュラーに遭遇する」という試練やプレッシャーを乗り越えた高橋も、竹内や菅田のように、さらなるステップアップを目指してこれからも頑張ってほしいーー。

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