ちゃんと仕事してるのに…「油を売る」のが、どうしてサボりの代名詞と呼ばれるのか? (2/2ページ)
菱川師宣『和国諸職絵つくし』より、油売り。こちらは柄杓で汲むスタイル。
しかしマスで油を汲む時、油は水などに比べて粘り気があるため、油を汲んだマスの外側にも油がまつわりついて、みんなお客さんの容器に注ぎこまれてしまいます。
消費者の立場にすれば「何をケチなことを……」と思うでしょうが、油売りにしてみれば「塵も積もれば山となる」で、このコストが結構バカになりません。
だから油売りは、油を汲んでもすぐにお客さんの容器へは注がず、しばらく待ってマスの外側の油を滴らせて自分の容器に戻します。
商品はもらった代金ぶんしか渡したくない……確かに理屈としては正しいのですが、お客さんとしてみれば「代金は払ったのだから、早く商品を渡してくれ」と言いたくなるのが人情で、ゆっくりもったり滴り落ちる油を眺めているのは、かなりストレスが溜まりそうです。
そこで油売りは、お客さんが退屈しないように色々と話のタネを仕込んでおき、すっかり油が滴り落ちるまでの間、雑談に興じたのでした。
もちろんすべての油売りがそうだったとは思えませんが、こうしたエピソードから、くっちゃべって時間をつぶすことを「油を売る」と言うようになったのだそうです。
※参考文献:
日本語倶楽部『語源500 面白すぎる謎解き日本語』KAWADE夢文庫、2019年11月
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