西関脇・御嶽海インタビュー「いろんな経験をして、少し大人になったのかもしれません」

日刊大衆

画像はイメージです
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 大相撲秋場所が9月13日、初日を迎えた。七月場所と同様、観客を従来の4分の1に制限しての開催となっているが、「本命不在」の今場所は、初日から熱戦に沸いている。

 秋場所の注目は、先場所、千秋楽まで優勝争いを繰り広げた御嶽海、正代の両関脇だ。特に、一昨年、昨年と2度の優勝経験のある実力者、御嶽海は不気味な存在。「大関候補」と呼ばれて3年。27歳と円熟期を迎えた御嶽海に話を聞いた。

*    *

ーー七月場所は、10日目に全勝の大関・朝乃山に完勝。12日目にも1敗の横綱・白鵬に土をつけるなど、存在感を見せた場所でした。

御嶽海(以下、御) 僕はフィリピン(母がフィリピン出身)で生まれたので、暑い季節が嫌いじゃないんですよ。朝乃山とは学生時代から何度も対戦していますけど、「相手にまわしを取らせないように」という意識は、いつも持っています。年齢は僕のほうが上だから、「年下に負けたくない」という意識もありますしね。

ーー3敗で迎えた千秋楽は2敗の照ノ富士との対戦となりました。勝てば、3敗同士で優勝決定巴戦もありえたわけですが……。

御 とにかく本割で「勝ってやろう!」と。次(決定戦)のことは、勝たなければ始まらないですからね。照ノ富士関は元大関ですけど、今は自分のほうが番付は上。突き放していけば、勝てる自信はありましたよ。でも、先場所の照ノ富士関は勢いが違った。悔しいけど、勢いが敗因です。

ーーとはいえ、11勝を挙げて、また「大関獲り」が見えてきましたね。そのあたりは意識していますか?

御 ハイ。正直、意識しています。一昨年の初優勝のあとは、9勝。昨年、2度目の優勝後の九州場所では、負け越し。期待を寄せてくださっている方を裏切る形になっていますからね。今年の初場所、春場所は久しぶりに平幕にも落ちました。実は僕、これまで関脇で2ケタ(10勝)を挙げたことは、優勝した場所の2回だけだったんです。大関に昇進するには、原則的に、三役で3場所の勝ち星が33勝という基準があるんですが、これまでの成績では「大関を狙う」なんて言うのは、おこがましかった。だから、大関というものは一度リセットして、まずは三役で2ケタ勝つことを目標にするようにしたんです。

■「リモート取材は正直、慣れないですね」

ーーなんだか、昨年までの御嶽海関とは、雰囲気が変わりましたね?

御 そうでしょう? 前だと、「大関狙います! イエーイ!」みたいなノリだったからね(笑)。いろんな経験をして、少し大人になったのかもしれませんね(笑)。

ーー(笑)。ところで、七月場所は、人数制限はあったものの、お客様を入れての本場所開催となりました。3月の無観客開催とは雰囲気は違いましたか?

御 全然違いますね。無観客だった春場所は、館内がシーンとしていて、本当に寂しかったです。七月場所は声援とかは禁止だったけれど、いい相撲には温かい拍手をいただけた。その拍手だけでも、うれしかったですからね。お客様の応援というもので、僕たちが、どれだけ勇気づけられているのかが分かりました。

ーー支度部屋でのメディアの取材も禁止になって、本場所でもリモート取材が取り入れられました。

御 ウイルスの感染拡大防止には仕方ないんでしょうけど、リモート取材は正直、慣れないですね。やっぱり、人って実際に会って、相手の目を見て、雰囲気を感じ取るということも大事じゃないですか? 大切な話を聞くなら、なおさら、それが重要だと思うんですよ。確かに、リモート取材だと、手短かに用件はすませられるし、気が進まないなら、質問を断ってもいいことにはなっているんです。でも、支度部屋でリモート取材を取り仕切っているのが、荒磯親方(元横綱・稀勢の里)なので、「ノー」と言いづらい雰囲気なんですよね(笑)。

 現在発売中の『週刊大衆』9月28日・10月5日号では、東関脇・正代と元・安美錦のインタビューも掲載している。

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