オーケストラ指揮者が開発。音楽鑑賞に最適なマスクはてのひら型の耳あてがユニーク(ハンガリー)

音楽鑑賞に最適なマスクを音楽家が開発 image credit: youtube
コロナと共に生きる時代に移行した今、徐々にクラッシックコンサートなどのイベント関係が再開している地域もある。
しかし、社会的距離を守る関係上会場では聴衆数が制限され、マスク着用の義務化などによっても、これまでのようにスムーズに興行を成立させることが困難になっているのが事実だ。
そんな中、ハンガリーのオーケストラ指揮者が、音を増強するフェイスマスクを開発。これを装着することで、音楽鑑賞を向上させることが可能になるという。『bfz.hu』などが伝えている。
Ivan Fischer about the acoustics-improving mask
・音楽鑑賞を向上させるアコースティックマスク
ハンガリーのブタペスト・フェスティバル・オーケストラの指揮者であり主任でもあるイヴァン・フィシャー氏は、ブタペスト周辺でフェイスマスクを着用している多くの人を目にした時、パンデミックの必要性を音楽鑑賞のツールに変えるという斬新なアイデアを思いつき、アコースティックマスクと呼ばれる新しいデザインのマスクを開発した。
このマスクには、着用者の耳の周りにフィットするよう設計された掌のような形の2つの透明プラスチックカップがついており、眼鏡をかける要領で装着する。
これにより、コロナと共に生きることを余儀なくされた人々は、コンサート会場で改善された音響を楽しむことができるというわけだ。
・暖かみのある低音とクリアでシャープな音の輪郭が楽しめる
リハーサル時に、実際にこのマスクを装着してみたフィッシャー氏は、感想を次のように語った。

image credit: youtube
耳に、ちょうど掌をあてるとこういう感じになるなという想像からこのデザインに行きついたわけですが、リハーサル時に装着してみたところ、暖かみのある低音と、よりクリアでシャープな輪郭が得られ、音楽がはるかに美しく聞こえました。
これで、コロナの時代でも、聴衆は改善された音響を楽しむことができるようになります。
同オーケストラは、パンデミックの最中は6か月間の活動休止を強いられていた。9月に入り、ようやく活動を再開させたのだが、コロナ対策としてコンサート会場では観客のマスク装着は必須だ。
しかし、このような音楽鑑賞用の特別なマスクがあれば、音楽鑑賞好きは会場へ足を運びやすくなることだろう。
When he saw a sea of face masks around Budapest, Hungarian orchestra conductor Ivan Fischer had an idea to turn an unpopular necessity into a tool of music appreciation https://t.co/khEtZGJdVo pic.twitter.com/YoUCACqllh
— Reuters (@Reuters) September 14, 2020
事実、9月11日の講演では、このマスクは多くの聴衆に人気があったようだ。実際にこのマスクをしてコンサートを楽しんだ聴衆の1人は、次のように話している。
このマスクを着けると、音楽をより集中させることがわかりました。着けた時と外した時で聴き比べをしてみたのですが、違いが明らかでした。
なおこのマスク、キラキラバージョンと白と黒のシンプルなバージョンがあるようだが、大量生産はしておらず個別生産になるという。
現在、オーケストラのサイトもしくはメールでの注文、ブタペスト市内の本屋での購入が可能となっているのみで海外発送はしておらず、1つ8000フォリント(約2800円)で販売中ということだ。
written by Scarlet / edited by parumo