円周率かな?恒星を約3.14日周期で公転する地球サイズの惑星が発見される
3.14日で公転する惑星を発見 image by:NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle, Christine Daniloff, MIT
天文ファンも数学ファンもどちらも嬉しくなってしまうだろう。円周率と同じ3.14日で公転する地球サイズの太陽系外惑星 が発見されたからだ。
米マサチューセッツ工科大学のグループが「πアース」と呼ぶその惑星は、2017年にNASAケプラー宇宙望遠鏡によって検出。これを地上の望遠鏡ネットワーク「SPECULOOS」で観察したところ、惑星であることが確認され、『Astronomical Journal』(9月21日付)で報告された。
およそ3.14日で主星を1周しているのだが、これが円周率に例えられたのは研究者のちゃめっ気だ。「こんなときだから、みんなちょっとした楽しみが必要でしょう」と、研究グループのジュリアン・デ・ウィット氏は話す。
・秒速81キロでぶっ飛ぶ地球型惑星
πアースの本当の名は「K2-315b」。半径は地球0.95個分、質量0.8個分と、我々の惑星とかなり似ている。またおそらくは岩石惑星であろうところも地球と同じだ。
ちなみにより正確な公転周期は「3.1443189±0.0000049日」とされている。
K2-315 b
一方、その主星「K2-315」は、質量・直径ともに太陽の5分の1程度しかない冷えた赤色矮星だ。「てんびん座」の方向、185光年の先にあり、πアースはその周りを秒速81キロでぶっ飛んでいる。
地球によく似ているとは言っても、主星に近すぎて表面は180度にもなるので、生命が生きることはできないだろう。
将来的に予定される次世代宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」による系外惑星の大気調査の対象として、有力な候補であるそうだ。
References:iopscience/ written by hiroching / edited by parumo