よく「現金なヤツ」というけど…その語源を調べてみたら、文字通りの通貨だった (2/2ページ)

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昔は一ヶ月がすべて三十日(みそか)で、月末に蕎麦を食べる「晦日そば」の習慣があったことから、食べきれずに残ってしまった掛け蕎麦をツケ(掛け払い)になぞらえ、麺がのびる≒支払いが延びると溜息をついたものでした。

そういう苦労があるばかりか、悪質な場合だと踏み倒されてしまうリスクもあるため、店側とすれば、よほど信用できる客でなければツケ払い(掛け売り)はなるべくしたくないのが本音。

とは言うものの現金商売にこだわり過ぎると、今度は普段あまりカネを持たない江戸っ子たちが客についてくれず、渋々ツケ払いを認めることが多かったため、現金で支払ってくれる客は本当にありがたい存在でした。

左側の鴨居に「現金かけねなし」と記された貼り紙。奥村正信「駿河町越後屋図」

よく「現金掛け値なし(現金払い限定の格安プライス)」なんて言葉があるように、現金払いと(取り立てコストや貸し倒れリスクが生じる)ツケ払いには値段の差を設けるのが普通で、現金払いであれば多少の無理は聞いてあげるくらいのメリットがありました。

例えば客が無理な条件を提示した時、ツケ払いなら「あきまへん」など一刀両断にされるところ、「現金一括で支払うからさ」とカネを出したら「勉強させてもらいますわ」と手のひらクルリ。

そんな変わり身の早さを「現金なヤツ」と呆れるやら、商売上手を感心するやら……というのが語源だそうです。

※参考文献:
日本語倶楽部『語源500 面白すぎる謎解き日本語』KAWADE夢文庫、2019年11月

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