名将・野村克也監督「最後のボヤキ」イチロー、大谷翔平へ魂の遺言 (2/2ページ)
また、エンゼルス・大谷翔平に対しては、二刀流成功の要因に言及。天賦の才能以上に、“謙虚さ”を高く評価した。気になることを必ずメモするという大谷の習慣に触れ、《「自分なんて、まだまだ実力不足。もっと学ばなければいけない」心の中でそう感じているからこそのメモであり、向上心の表れでもある》と語り、「もっともっと高みを目指してほしい」と大きな期待を寄せていた。
そして、今や日米球界におけるレジェンドとなったイチロー。《私は、イチローのことが以前から嫌いだった》と、赤裸々に本音を告白したノムさんだが、同時に、2軍でくすぶっていたイチローにトレードを打診するほど、才能に惚れ込んだ存在でもあった。《イチローは、引退会見で「頭を使わない野球」や「日本のプロアマ問題」に対して危機感を訴えた。それは私も同意するところ》 願わくば、グラウンドで天才と知将の指導者としての邂逅を見たかった。
一方で、巨人・原辰徳監督に対する評価は実に厳しい。「選手起用や采配などに創意工夫を感じられない」と指摘し、こう続ける。《逆に言えば、充実した戦力がそろっていれば、そんなものがなくても勝つことができる。つまり、フロントの勝利とも言えるのだ》
しかし、この言葉の先に、ノムさんは、自分自身にも非難の言葉を向ける。《力に物を言わせる野球に、頭を使う野球で立ち向かおうとする指導者も見当たらない(中略)。これは私も含め、球界に関わってきた者たちが後継者を育てられなかったということ。その責任は大きい》
知将の味わい深い言葉を堪能してほしい。