コロナ後のビジネスで中小企業が勝つために必須の経営戦略とは? (2/2ページ)

新刊JP

「この部分では誰にも負けない」という武器(商品・サービス)を磨き、小さな戦場に戦力を一点集中して戦うのが、中小企業の勝ち方となる。

■Amazonができないことを売りにした小売店

ひとつ事例を見ていこう。
Amazonをはじめとするネット通販に押され、苦しい戦いを強いられているのが小売業界である。それまでは同じような規模の他店舗がライバルだったのが、今や世界的大企業がライバル。自分の店舗を見にきた客が商品を見定めると、スマホを取り出してAmazonで最安値を調べて購入する姿を見て、絶望感に駆られた小売業者は多いはずだ。

本書で実例として挙げられている、建材と建材工具を扱う丸田株式会社(仮名・以下丸田)もその一つ。丸田もご多分に漏れずAmazon等のネット通販に押され、先行きが見えない状況に陥っていたが、独自の戦略による差別化が成功した。

小売店にとって、ネット通販が登場したことで一番困るのは、例外なく価格競争に巻き込まれることだ。この流れに乗ったままでは、小規模な店舗ほど苦しくなるのは目に見えている。

だから、丸田はまず、価格競争から降りることにした。自社の店舗を「良い仕事をしたい建築職人のための目立て職人が始めた相談できる店」と定義し、打ち出した。価格で勝負するのではなく、建築職人たちに「新しい道具や建材のことで困ったことがあったら、なんでも相談できる場所」という価値を売り物にしたのである。

また、急に仕事が空いてしまった職人のために、求人や求職、仕事の紹介などができる態勢も整えた。ネット通販ではできないことを強みにし、地域という狭い戦場でトップを目指す戦いを始めたのだ。これは、ランチェスター戦略が示す中小企業の勝ち方の典型例だろう。そして、こうした戦い方を一度経験し、知っておけば、次に変化が訪れた時も対応しやすい。

◇

中小企業が自分たちの組織なりの戦い方を見つけ、勝っていくために、ランチェスター戦略は大きな助けになるはず。

本書では戦略コンサルタントである著者が手掛けた数々の事例とともに、この戦略のポイントとなる理論と知識が明かされている。変化に強く、「勝ち方」を知っている組織を作るために、本書から学べることは大きいはずだ。

(新刊JP編集部)

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