日没後にデートしたら結婚しなければならない。慣習に従い結婚させられた15歳の少年と12歳の少女(インドネシア)
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古くからの地域の慣習を継続していることで、児童婚が長年世間の物議を醸しているインドネシア。
このほど、わずか4日のデートが日没にさしかかったことが原因で、15歳の少年と12歳の少女が両親に結婚させられ、メディアの話題になっている。
Viral Remaja 15 Tahun Nikahi Gadis 12 Tahun
・日没後に会うことを禁止された地域でデートした未成年カップル
インドネシアのロンボク島には、その地の先住民ササク族が守って来た伝統的慣習がある。
それは、「未成年のデートの門限」だ。この地域では、未成年同士が日没後に会うことを禁じられており、それを破った場合には結婚を余儀なくされてしまうというのだ。
今回、その慣習に背いたとして、15歳の少年と12歳の少女が結婚させられた。
15歳のスハイミ君は12歳のヌルヘラワティちゃんと日没まで遊んでおり、スハイミ君がヌルヘラワティちゃんを家に連れ帰ったのが午後7時半頃になってしまったという。
この若いカップル(というよりはおそらく遊び友達)は、4日一緒に遊んでいただけだったが、慣習を破ったことから、少女の両親が少年に少女との結婚を迫った。
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・15歳と12歳が宗教的儀式のもと夫婦に
複数のメディアが伝えたとことによると、息子との結婚を迫ってきた少女の両親に対し、息子の家族側はなんとか児童婚を阻止しようと試みたようだが、失敗に終わったという。
私たちは、2人の結婚を取りやめるために別れさせようとまでしましたが、少女側の両親が納得せず、慣習に背いたのだからと結婚させるべきだと主張したのです。
結局、少女側の家族に押し切られる形で少年少女は結婚させられることになった。
儀式の時の様子が動画撮影されてシェアされているが、スハイミ君は周りの大人たちが笑うと笑顔を見せているが、隣のヌルヘラワティちゃんは退屈そうに座っているだけで、ちっとも嬉しそうではなく、思わず考えさせられてしまうのが事実だ。
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この結婚式は、数十人の親戚や近所の人たちの前で執り行われ、この映像がインドネシアのSNSでシェアされると、児童婚についての激しい議論が巻き起こった。
報道によれば、2人の結婚はインドネシアでの合法的な結婚を認めている宗教庁(KUA)の承認を受けていないそうだ。
しかし、双方の両親は2人は結婚し、夫婦になったと考えており、現在12歳の妻は15歳夫の実家で夫の両親と共に暮らしているという。
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ちなみに、ロンボク島では女性が結婚式の前に夫となる男性にさらわれるという「花嫁誘拐」のササク族の伝統があるところでも知られている。
なお、インドネシアは長年児童婚が物議を醸しているため、結婚法が改正されて女性の最低年齢を16歳から19歳に引き上げられている。
しかし、地域によっては親たちが「宗教的信念」を理由に、結婚を合法化することを気にせず、代わりに宗教的儀式のみを済ませ、今回のように低年齢でも子供たちを結婚させるところもあるようだ。
written by Scarlet / edited by parumo