なぜ新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下、秩序ある東京の夜の街を写真に収め、写真集を作ったのか? - 写真集『Night Order』刊行にあたって (7/8ページ)
印刷に関しては、老舗の素晴らしい美術印刷をするサンエムカラーさんにお願いをし、デザイン・印刷・製本ともに、私の想像を超える仕上がりにすることができました。「オリジナルであること」「世界初の仕様を使い、プロダクトとしても完成度が高いこと」、私ができる範囲で本としても皆さんに長い間大切にしていただけるものができたのではないかと自負しています。
【4】今後に向けて
社会のために、写真を使う:「Socio-Photography」の追求
冒頭でも書きましたが、私は商業写真家に憧れて、商業写真家になりました。商業写真家の仕事は「For Business」。デザイナーやビジネスマンの方と同様に、写真の技術を使って、ビジネスのお手伝いをしています。一方で、写真作家の方は「For myself」。アーティストとして、自分の内発的な創造的欲求を作品に込め、社会に問いを投げかけます。
私は、写真作家の方の、ある意味大衆に対して、「裸=本当の自分」を見せるような行為にある種の畏敬の念を頂いていました。と同時に、心のどこかで、自らが「裸」を見せたってそれが何になる。自分にはできないのではないか?という怖さも持っていました。
ただ、今回のプロジェクトで多くの方と一緒に写真作品を作る、写真集を通じて気づいたことがあります。「For Business」でも、「For Myself」でもないその中間地点くらいに、「For Others」「For Society」の写真があってもいいのではないかということ。写真しか取り柄のない僕でも、写真という手段を使って、身近な誰かを助ける、または社会に対して問題を投げかけてゆく。そんな写真家像を今は描いています。自分のためでも、ビジネスのためでもなく、誰かやもっと広くいうと社会のために、地道に何かできることを探していこう。今はそんな心境です。
【5】あとがき:皆さまへの感謝を込めて
最後になりますが、今回の写真集は決して一人の力では作ることができませんでした。