１０月１日、元ＳＭＡＰで現在は新しい地図として活動する香取慎吾（４３）が、テレビ東京系で２０２１年１月クールに放送されるドラマ『アノニマス～警視庁“指殺人”対策室～』（月曜２２時～）で主演を務めることが明らかになった。

　ドラマはＳＮＳでの誹謗中傷をテーマにしたサスペンス。「指殺人」とは、キーボードで人を殺す、すなわち、ネット上での心ない書き込みを指す。香取が演じるのはその「指殺人」に苦しむ人々の事件を解決に導く刑事だという。

　香取が民放の連続ドラマで主演を務めるのは、２０１６年１月クール放送の『家族ノカタチ』（ＴＢＳ系）以来５年ぶり、テレビ東京系のドラマに出演するのは３３年ぶりとなる。

　香取はドラマ主演にあたって、「５年ぶりの民放ドラマ、３３年ぶりのテレビ東京でのドラマ。小学生だった僕が電車でテレビ東京に通っていた時の緊張感が蘇ります」とし、「２０２１年の幕開けに、僕を必要としてくれたスタッフの皆様の思いと共に、テレビで、テレビ東京で、今の香取慎吾の全力を視聴者の皆様にお届け出来るように頑張ります。初めてテレビに出させてもらった時の喜びを思い出しながら！」と、テレビ出演への意気込みを語っている。

■香取「本当にテレビに出られないんだな」

　香取は、８月２日に生配信された番組『７.２ 新しい別の窓 ＃２９』（ＡＢＥＭＡ）の中で、「（独立から）３年くらい経つんですけど、本当にこんなにテレビに出られないんだなって。ステイホームとかで家でいろいろ見るじゃないですか。あらためて、本当にテレビに出られないんだなって、最近ちょっと感じている」と、なかなかテレビに出ることができないと漏らしていた。

「このタイミングで、テレビ東京のドラマで主演が決定ですから、香取も相当喜んだのではないでしょうか。

　ドラマは『バイプレイヤーズ』や『４０万キロかなたの恋』などを手掛けた濱谷晃一プロデューサーのオリジナル企画ですから、目の肥えたドラマファンにも刺さる可能性は高いですよね」（芸能記者）

　香取のドラマ主演決定に、ネットでも「テレ東の英断だね。他系列の地方局にまでネットできると良いね」「攻めるテレビ東京というより、これが正常な姿なのですよね。頑張って！」「ジャニーズ事務所の圧力やテレビ局の忖度に負けずに頑張ってください」といった声が上がっている。

■稲垣＆草なぎはＮＨＫ

「２０１７年のジャニーズ事務所退所以降、新しい地図の３人は地上波テレビになかなか出演することができませんでした。しかし、稲垣吾郎（４６）は今年３月まで放送されたＮＨＫ朝の連続テレビ小説『スカーレット』で久々にドラマに出演。昨年１１月にスタートしたＮＨＫ総合の『不可避可否研究中』ではＭＣにも就任しています。

　草なぎ剛（４６）も、２０２１年のＮＨＫ大河ドラマ『青天を衝け』では、物語のキーを握るとされる徳川慶喜役に抜擢されています。また、草なぎはタモリさん（７５）との関係もあり、退所後も『ブラタモリ』のナレーションを務めている。

　そして今回、香取がテレビ東京のドラマで主演です。ようやく地上波ドラマやテレビ番組でも新しい地図の３人を目にする機会が増えていきそうですよね。しかし、現状で出演しているのは、あくまでもＮＨＫとテレビ東京だけ。他の民放キー局はいまだにジャニーズ事務所に忖度をしているのかもしれません」（前出の芸能記者）

　新しい地図の３人は、２０１９年１２月３１日放送の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで！』の年越し特番『絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール２４時！』（日本テレビ系）、１月２日放送のバラエティ番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか？』（テレビ東京系）に出演。ＮＨＫとテレビ東京以外にも、日本テレビの番組に出演しているが――。

■日本テレビ系の『スッキリ』にも出演

　民放キー局ディレクターは話す。

「他にも『スッキリ』（日本テレビ系）にも出演しています。ただ、それはあくまで“単発”での出演です。

　昨年７月、新しい地図の３人を番組に出演させないよう、テレビ局に圧力をかけた疑いで公正取引委員会がジャニーズ事務所やテレビ局に調査が入りました。以降、テレビ局のジャニーズ事務所に対する忖度も少なくはなってきていることは確かです。しかし、現場が“新しい地図の３人を使いたい”と提案しても、局の上層部がジャニーズ事務所に忖度することもまだある。

　ただ、忖度だけではなさそうです。というのも、コロナ禍でテレビ各局の広告収入が激減したこと、そして日本テレビ、テレビ朝日、ＴＢＳ、フジテレビの４局は今、１３～４９歳のコア層の個人視聴率しか見ていないことも関わってきているのではないでしょうか」

■テレビ局は若手ジャニーズを使いたい

　今年３月３０日より、視聴率調査を行っているビデオリサーチ社が「個人視聴率」を導入。これまで「どれだけの世帯が番組を見たか」を示す「世帯視聴率」がテレビ番組の評価基準とされてきたが、「性別や年齢などの項目別で誰がどれだけ見たか」を示す「個人視聴率」が重視されるようになった。

「テレビ各局は今、特に広告出稿が見込める若年層やファミリー層の個人視聴率しか見ていません。若年層はＫｉｎｇ＆Ｐｒｉｎｃｅ、ＳｉｘＴＯＮＥＳ、Ｓｎｏｗ Ｍａｎなど、若手ジャニーズファンも少なくない。番組担当者は、若手ジャニーズタレントはぜひとも使いたいんです。

　今年はコロナの影響で中止になりましたが、テレビ朝日では毎年『六本木ヒルズ 夏祭り ＳＵＭＭＥＲ ＳＴＡＴＩＯＮ』というイベントを行っています。応援サポーターには注目の若手ジャニーズグループが就任し、昨年はＨｉＨｉ Ｊｅｔｓと美 少年が担当しましたが、ジャニーズタレントを出演させればイベントも盛り上がるのは間違いない。

　ジャニーズとタッグを組むことで、個人視聴率とイベントという、テレビ局にとって大事な収入源をしっかりと確保できるというわけなんです。そのため、上層部も新しい地図をあまり使いたがらないのかもしれません」（前出の民放キー局ディレクター）

■マツコ「テレビ局は使いたくない」

　２０１９年８月、『５時に夢中！』への稲垣の準レギュラー起用をマツコ・デラックス（４７）が拒否したという報道について、マツコ本人は『週刊文春』（文藝春秋）の取材に対し、「だって、テレビ局は使いたくないんだもん。ＳＭＡＰじゃなくなった３人に魅力を感じますか？」とコメントした。

「マツコさんが話したように、新しい地図の３人はすでに４０代で、若者への訴求力という面ではそれほどでもないといえるでしょう。コア層の個人視聴率がほしいテレビ局としては“無理に使う必要もない”とも言える。

　ただ、ＮＨＫやテレビ東京では起用がどんどん増えていますよね。それは彼らを見たい人がいるからですし、３人と仕事をしたいテレビマンも多いんです。やはり、それだけの才能にあふれた３人ですからね。

　ＮＨＫやテレビ東京のドラマを皮切りに、今後３人が日本テレビ、テレビ朝日、ＴＢＳ、フジテレビのドラマへの起用が増えていくといいですよね。そしていずれ、中居正広さん（４８）や木村拓哉さん（４７）との共演なども期待したいところですね」（前出の民放キー局ディレクター）

　ＮＨＫとテレビ東京では露出が増えてきた新しい地図の３人。その他の民放４局にレギュラー出演する日は、はたして……!?