竹内結子さんが語っていた「死生観」と“役にのめり込む”演技の凄み (2/2ページ)

アサジョ

地上波ドラマではないので、あまり触れられることはなかったのですが、私は竹内さんがこのドラマで演じた死刑囚・田中幸乃という役に思いを馳せてしまうのです」(テレビ誌ライター)

 幼い頃に母親を亡くし、祖母に育てられた主人公の幸乃は大人に成長すると、破局した元恋人にストーカー行為をくり返し、元恋人が住んでいたアパートの部屋に放火。妻子を殺した疑いで逮捕され、死刑判決を受ける。幸乃の幼馴染みたちは幸乃の無実を信じて奔走するが、生きることへの希望を失った幸乃は“死”を受け入れてしまう──。

 WOWOWの公式HPで竹内さんはドラマ出演に際し、「幸乃という女性の生き方や人間性に興味を持ちました」と明かし、「誰かに必要とされたいという気持ちがとても強い女性」と幸乃について語っている。

 竹内さんは続けて「自身の死刑が確定した後の幸乃は、まるでようやく荷物を下ろせる場所をみつけられた安堵感のような気持ちでいて。真実を明らかにすることが彼女の願いではなく、全てを語らずまるごと抱えて命を終えることが使命のように感じている。早くその日を迎えることを待ち望んでいるような、そんな気持ちが見えた時悲しくなりました」と死に臨んだ幸乃の心情についてコメントしている。

「竹内さんが亡くなった今、このコメントを読むと切なくなってしまいます。竹内さんは幸乃の役柄と、自身の生い立ちや家族環境を重ね合わせながら演じていたのかも知れません」(前出・テレビ誌ライター)

「女性セブン」の記事では、映画「僕と妻の1778の物語」出演時に雑誌のインタビューで語られた、竹内さんの“死生観”にも触れている。

 同作品は、余命宣告を受けた妻と作家の実話をもとにした物語だが、“もし自分が役柄と同じく死に直面するとしたら?”について竹内さんは「最終的には、ひとつのことしか出来ないような気がします。それが何なのかは、人によって違うでしょうけど」と語っている。

 死の前夜も、普段通りに家族と食卓を共にしていたという竹内さんにとって、“ひとつのこと”とは、「自分が築き上げた家庭、愛する家族そのもの」であったのだろうか。

 才能に溢れた女優を失ってしまったことが、つくづく残念でならない。

(石見剣)

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