10月5日放送の『バイキングMORE』（フジテレビ系）では、現在大きな注目を集めている菅義偉首相の〝「学術会議」メンバー任命拒否問題〟を特集。そこで行われた報道の中に、一部誤った説明が含まれていたという。

政府から独立した立場で、政策提言などを行う組織「日本学術会議」。慣例としてメンバーは日本学術会議が推薦し、そのまま全員を首相が任命するという流れがあるらしい。しかし今回、菅首相は推薦された105人のうち6人の任命を拒否。拒否されたメンバーからは、怒りの声が上がっている。

この件に関して、出演者らの間では様々な議論が繰り広げられていく。すると有識者として同席していたフジテレビ上席解説委員の平井文夫氏から、「だってこの人たち6年ここで働いたら、その後〝学士院〟というところにいって、年間250万円年金もらえるんですよ。死ぬまで。皆さんの税金から」といった発言が飛び出した。

どうやらこの発言が、視聴者からかなりの反感を買ってしまったようだ。

平井氏の発言を受け、ネット上には、

《学士院会員になる人は、日本学術会議のメンバーの中で100人に1人もいないでしょう。定員が全く違う》
《これは完全にデマです。日本学術会議メンバーの全員が全員、学士院の会員になることはあり得ません》
《これは悪質だなぁ…。論点は〝なぜ菅首相は任命拒否したの？〟ってことなのに、必要以上に日本学術会議をおとしめている》
《この発言本気にして騒ぎ立てるヤツが増えそうだな…》

などの指摘が相次いでいる。というのも、日本学術会議は会員数が210名で任期が6年。3年ごとに約半数が入れ替わる仕組みになっており、対して平井氏の発言にあった〝学士院（日本学士院）〟は定員が150名で終身会員となっている。確かに「日本学術会議のメンバーなら日本学士院の会員になれる」というものでもなさそうだ。

明らかに誤解を招く発言をしてしまった平井氏。6日放送の同番組では、放送終了間際に伊藤利尋アナウンサーが、「学術会議の会員は学士院に推薦される方もいますが、全員が学士院の会員になるわけではありません」「学術会議以外の方が学士院の会員になることもあります。この点、補足して訂正いたします。大変失礼いたしました」と訂正して謝罪していた。

一度情報が出回ると、情報が素早く拡散されてしまう現代。テレビ番組だけでなく、メディアは正確な報道やコメントを心がけてもらいたいものだ。