鈴木亮平「彼が愛した『せかほし』を…」三浦春馬さんの“バトン”継承
10月8日放送の紀行番組『世界はほしいモノにあふれてる』(NHK)は、新MC鈴木亮平(37)の初出演ということで生放送で行われ、視聴者からも注目が集まった。
『せかほし』は18年4月から開始した世界各国で多くの雑貨や食材を取り扱うバイヤーに密着したり、スタジオで実際に品々を楽しむ、食やファッションといった「素敵なモノ」を取り扱う紀行番組。
同番組の新MCの鈴木がそこまで注目されたのは、前のMCが三浦春馬さん(享年30)だったからだ。
歌手のJUJU(44)と三浦さんの2人が、番組開始時からMCを担当していたが、今年7月に三浦さんが急逝。これから鈴木とJUJUで、新しい旅を始めていくことになり、放送前から注目が集まっていたのだ。
「就任が報じられた時点で、“適任だと思う”“すごく納得”と好意的に視聴者に受け入れられていました。三浦さんと同じく演技や仕事に誠実でストイックな人だし、アメリカ留学の経験もある。
何より鈴木は世界遺産検定1級を取得していて、9月10日には、挿絵まで手掛けた、初の書き&描き下ろし妄想エッセイ『行った気になる世界遺産』(ワニブックス)も出版。『せかほし』と三浦さんの後任として、これ以上ない逸材ですよ」(制作会社関係者)
■鈴木とJUJUはすぐに馴染んだ
8日の生放送は、フランスのチーズに密着した回となった。
冒頭では「これからも旅を続けていく。一緒に」と、三浦さんを思わせるナレーションが流れたほか、今回は特別に、番組進行にナレーションの神尾晋一郎(38)も顔出しで参加した。
「なかなか旅行にも行けない時期が続いてますし、大切な友人から受け取った大切なバトンなので、皆さんと一緒に思い切って楽しんでいきたいなと思います」
と、鈴木が所信表明を行ったあと、9月中旬に鈴木とJUJUが初顔合わせをしたVTRが視聴者に紹介された。
「JUJUは鈴木を“大きいですね、思ってた通り。安心感”“新しい『せかほし』を、2人で作っていけたらと思います”と歓迎。鈴木もセットの素晴らしさを褒めたほか、前に確認した際に机のサイズが体格と合わないため替えてもらったことを明かし、JUJUを笑わせていました。これまでほとんど共演したことない2人でしたが、いい雰囲気でしたね」(前出の関係者)
■「彼が愛した『せかほし』を引き継いでいけるように」
鈴木は「木曜の夜の時間帯、見ていて心がときめく番組だな、と思っていました。モノってこんなに人を幸せにできるんだなって。一番の魅力はJUJUさんと春馬くんの掛け合いだと思っていたんですよ」
と、改めて三浦さんについて言及。JUJUも、
「最初はガッチガチだったんですよ。懐かしい限りなんですけど。それがだんだん一緒に過ごすにつれて、掛け合いが生まれていったんです。本当に姉弟でした」
と、心なしか声を震わせながら話し、鈴木もそれを受けて、
「彼と同じものは自分できないんですけど、彼の後を引き継いで、この番組の良さだったり、彼が愛した『せかほし』を引き継いでいけるように楽しんでいきたいと思います」
と、改めて視聴者とJUJUに対してメッセージを届けていた様子が映され、9月中旬の初顔合わせ映像は終わった。
この放送を受けてSNSも賑わっており、
《顔合わせのときはJUJUも鈴木亮平も少し暗い感じだったけど、気持ち新たにでも変わらないせかほしの空気でよかった〜》《顔合わせのVTRが凄く素敵でした。春馬くんのお話もされていて少し涙してしまいましたが、これから、お二人がMCのせかほしもすごく楽しみです》
と、好評だったほか、鈴木の羽織っていた茶色のジャケットが三浦さんの服と同じ色合いだったことに言及するファンも見られた。
■世界遺産の魅力を穏やかに語る鈴木
「番組ではフランス・ブルターニュ地方が紹介されたんですが、神尾の“行ったことは?”という質問に鈴木は“惜しいんですよ”“モンサンミシェルにはいきました”“通ったような、通っていないような”と、趣味の世界遺産を絡めたトークを行う場面もあり、さっそく番組になじんでいる姿を見せました。三浦さんと同じく、穏やかで知性を感じるトークは視聴者に好評でしたね」(女性誌記者)
生放送なのでSNSとの連動トークもあり、視聴者の《2人で行きたい場所はありますか》という質問に、
「世界遺産のカルカッソンヌっていう、きれいな中世のまま残った街があるんですよ」「フランスには”カルカソンヌを見ずに死ぬなかれ“って言葉があるくらい。城壁の街ですね。それが二重に取り囲んでいて」「そこで鎧とか着て……」
と熱弁する鈴木にJUJUも、
「いいですね! じゃあわたし馬になります!」と返し、鈴木は「僕が乗る?」、神尾は「せめて借りましょう」とツッコんでいた。これからは今回のような、世界遺産絡みのトークで楽しませてくれることは間違いないだろう。
■今後も『せかほし』は続く
番組の最後は、
「まだまだ安心できない日が続きますけれど、一日でも早く、また世界中を飛び回るバイヤーさんたちを目撃しつつ、私たちも旅に出れる日がくればいいなと思いながら、この番組を続けていけたらと思っております」(JUJU)
「僕は旅が好きでよくするんですけど、旅に出ると刺激的ですごくワクワクすることもあったり、“うわ、心がすごく癒されるな”という瞬間もたくさんあるんです。ですので、この番組を皆さんにとってそういう番組にゆっくりでもして行けたらな、と思います。今後も『せかほし』をよろしくお願いいたします」(鈴木)
と締めた。次回放送されるのは、ロンドンで日本の着物が注目されていることにフォーカスした、「ロンドンKIMONOスペシャル」だ。
「三浦さんは日本文化が好きで、20年4月には47都道府県を訪れ、各都道府県の“メイド・イン・ジャパン”を取材して作り上げた著書『日本製』(ワニブックス)を出版していました。
『せかほし』でも“日本を含めて世界ですから、取り上げてほしいですよね”と話していた。もしかすると、三浦さんへの手向けの意味も込められた企画かもしれませんね」(前出の女性誌記者)
■遺作ドラマ『カネ恋』本来のシナリオも発売予定
放送後SNSでは、鈴木や番組について、
《止まっていた時間がゆっくりと動き始めたような気持ちです。新しい旅を楽しみにしています》《新しい旅の始まり。よかった。そしてやっぱりちょっと切ない》《まだたどたどしいMC2人のやりとりが新しい旅の始まりみたいで楽しい》
と、改めて新しい『せかほし』に期待を寄せる声で多く溢れた。
「6日には三浦さん最後の主演ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)も最終回を迎えました。生前の撮影ストックを利用して話を完結させたため、“序盤で慶太(三浦)が人知れず出かけて以降最後まで登場しない“”2日いないだけなのに、長い間行方をくらましたような雰囲気“という展開もありましたが、それでも三浦さんの魅力を引き出し、きれいに話を終わらせたスタッフや、松岡茉優らキャストへのねぎらいの声も多かったですね」(ドラマウォッチャー)
6日の『カネ恋』と、8日の『せかほし』。10月2週は、三浦さんの代表作2つにとって、一つの区切りとなる週になった。
『カネ恋』は20日に本来予定していたシナリオを収録したシナリオブックが発売。そして、『せかほし』は鈴木さんとJUJU、そしてナレーションの神尾らによって、これからも旅を続けていく。
三浦さんには天国で、安心して見守っていてほしいーー。