吾峠呼世晴（ごとうげ・こよはる）原作の漫画『鬼滅の刃』（集英社）。今年５月に物語は完結したが、その人気は増すばかり。１０月１６日に公開される映画『無限列車編』の公開にさきがけて、１０月１０日にアニメ版１～５話で構成した『兄弟の絆』をフジテレビの『土曜プレミアム』枠で放送したところ、平均視聴率（世帯）は１６．７％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）という、とんでもない視聴率を記録している。

「関連グッズも充実の一言。子供向けなりきり玩具『ＤＸ日輪刀』が１０月末に発売されるだけでなく、ローソンにくら寿司でのコラボグッズやメニュー、ＧＵにユニクロ、森永のアイス“ビスケットサンド”などなど、とても数えきれません。過去に例のないほどの人気ぶりですね」（広告代理店関係者）

　女性ファッション誌『ａｎａｎ』（マガジンハウス）でも、１０月２１日発売の２２２２号は主人公・竈門炭治郎と映画『無限列車編』の最重要人物である炎柱・煉獄杏寿郎が表紙。２３ページに及ぶ作品の基礎の解説やロングインタビューなど、非常に充実した一冊となっている。

■便乗か？　ガチファンか？　それが重要だ

「キャラをイメージしたチークブラシが老舗ブランド熊野化粧筆から販売されたり、ファッション誌『Ｓｅｖｅｎｔｅｅｎ』（集英社）でも表紙を飾ったほか、“鬼滅メイク”なるキャラをさり気なくイメージしたメイクが紹介されたりと、コラボは多方面にわたります。

　当然ことながら、芸能界にも多くファンがいますが、一部には“ただの便乗では……”と思われてしまう人もいますね（笑）」（女性誌記者）

　流行りに“乗っかる”のは、タレントとして正しいのが、本心から好きではないことがバレると、バッシングの対象になってしまうことも……。

「代表例が、人気ＹｏｕＴｕｂｅｒのはじめしゃちょー（２７）です。１９年１１月に画『【鬼滅の刃】柱のみんなの刀がマジでかっこいい。』という動画を、コンビＹｏｕＴｕｂｅｒきょんくまとコラボして投稿したのですが、これが不評だった。

　きょんくまが持っていた、日輪刀コレクションを持ったままふざけたり、雑に振り回したりしたため、“扱いが雑過ぎる”“便乗感がすごい”と反感を持ってしまった人が多かったんです。ちなみにきょんくまは、鬼滅連載初期からのファンとして知られていて、こちらは評判もよかったんです」（前同）

■前提条件をもろに間違えて炎上

　また、５月３１日の『それって!?実際どうなのか課』（日本テレビ系）に出演したタイムマシーン３号の関太（４１）が鬼滅トークをしたのだが、設定の根本を理解してないかのようなコメントをしてしまったことで荒れてしまったという。

「関は、番組企画１円玉ドミノにリベンジする際の心境を“主人公の炭治郎が家族を殺された恨みを鬼たちに復讐する”ような、とたとえたんですが、炭治郎が鬼と戦うのは“鬼化してしまった妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため”。戦う相手の鬼についても、炭治郎は死に際には悲哀と慈悲を持って接する。そのため、関の発言に反感を覚えた人が多かったんです」（専門誌記者）

　まったくのとばっちりだったのが中川翔子（３５）だ。今年３月１７日のツイッターで、仲間のひとりである我妻善逸のイラストを一発描きで仕上げていく動画をアップして好評だったのだが、流行に便乗しているのでは、と疑念の声が出た。しかし、その後何度もＹｏｕＴｕｂｅチャンネル『中川翔子の「ヲ」』で圧倒的な筆力の鬼滅イラストを投稿しており、完全にリスペクトの対象になっていると言っていい。

■大御所ではさんまが大ファン

「心から『鬼滅』愛が伝わり、ファンからも好評な芸能人もいる。大御所では、明石家さんま（６４）がドハマリしていて、３月２日の次長課長の井上聡（４４）が、インスタに新幹線の移動中に単行本を楽しんでいる姿を投稿した際は話題になりました。同時に“禰豆子推し”であることや、“呼吸ネタ”を考えていることも、触れていました（笑）」（制作会社関係者）

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井上 聡（次長課長）(@_ino__)がシェアした投稿 - 2020年 3月月2日午前5時08分PST

　さんまは『ＯＮＥＰＩＥＣＥ』などマンガ好きで「意外だけど分かる気はする」という声も多く、５月３１日放送の『傑作！新作！さんまの夢かなえたろか特別編』（ＴＢＳ系）では、自身のファンだという女の子（１１）と男の子（８）の姉弟を相手に冨岡義勇が好きな食べものについて語り合ったり、６月２８日の『明石家紅白』（ＮＨＫ）では主題歌『紅蓮華』を歌うＬｉＳＡ（３３）と鬼滅トークをしたり、「本物」ぶりを見せている。

■若手ジャニの間でも大流行

「たびたび“引き笑いの呼吸、さんまの型”など鬼滅ネタを使うさんまですが、今回の『土曜プレミアム』放送直後の『さんまのお笑い向上委員会』では、副題が“その刃で悪童の暴走を断ち切れ お笑い無限列車編”だったり、ＢＧＭが鬼滅だったりと、とことん便乗していました。“さんまさん好きだもんなｗ”“ずっと鬼滅パロやったな……”と、ファンは好意的でした」（前出の関係者）

　ジャニーズでは、オタクを明言しているＫｉｓ－Ｍｙ－Ｆｔ２の宮田俊哉（３２）や、ＳｅｘｙＺＯＮＥの中島健人（２６）がガチガチなファンで知られている一方で、木村拓哉（４８）の評判がいささか悪いという。

「宮田は３月２５日の『ホンマでっか!?ＴＶ』（フジテレビ系）で鬼滅の最大最悪の敵・鬼舞辻無惨（きぶつじ・むざん）の話題が出た際に“あいつのカリスマ性がヤバいんすよ！”とハイテンションで説明したり、鬼滅の人気ぶりを紹介しようと“２時間半かけてアクリルスタンドを購入した話”をした際に共演者がドン引きするもめげず、“ガンガン来るところじゃないですか！ 今一番盛り上がるところですよ！”と熱弁してました（笑）」（前同）

■木村家の娘は好評も、父は……

　一方の中島は、主に自身のラジオ『ＳｅｘｙＺＯＮＥのＱｒｚｏｎｅ』（文化放送）でステイホーム中にＳｉｘＴＯＮＥＳ京本大我（２５）とメールで鬼滅の話題で３日間盛り上がった話や、オリジナルの必殺技を妄想して楽しんだ話など、やはり非常に鬼滅をエンジョイしている姿が好評だが、木村には世間の評価が厳しいという。

「４月５日に配信されたＧＹＡＯ！のバラエティ番組『木村さ～～ん！』で、好きな漫画ベスト５の２位に『鬼滅』を挙げたんですが、“脚色力としてはすごい”“やっつけられる鬼たちの話も存在してて”という木村の発言に、“感想が薄い”“媚びてる感がすごい”という声や、“脚色力”という単語を“脚本じゃないの？”とツッコむ人が多かった。

　ちなみに、木村の長女でフルート奏者のＣｏｃｏｍｉ（１８）も鬼滅が好きで、４月８日のインスタでは“鬼滅の推しは義勇様（主人公の先輩）です”とコメントしていました」（前出の専門誌記者）

　そんななかで、誰もが認める鬼滅ファンのタレントと言えばこの人、と名前の挙がる芸人がいるという。

■さりげなく仕込むネタに定評がある

　誰もが認める鬼滅ファンといえば、やはり、本格的な大ヒットの前から鬼滅好きを公言していた椿鬼奴（４８）だろう。

「鬼奴は頭一つ抜けたいわゆるガチ勢です。『タモリ倶楽部』（テレビ朝日系）に出演した際はさり気なく主人公・炭治郎の花札型耳飾りを付けたり、１９年１２月にドラマ『グランメゾン東京』（ＴＢＳ系）では、渋滞で車が進まないシーンで椿がハンドルを握りながら、『紅蓮華』を歌ったり、さり気なくネタを仕込むことに定評があります（笑）。たびたび芸人仲間に鬼滅を普及していることもありますね」（前出の専門誌記者）

　そんな鬼奴だが、最近では１９年１２月８日と今年２月１６日の『世界の果てまでイッテQ！』（日本テレビ系）で、多くの視聴者を感動させたという。

「スロベニアでブランコに揺られ、水に飛び込む“ロシアンスイング”に挑戦する際、怖さのあまり泣き出してしまい、なかなか踏み出せなかった。しかし、“水の呼吸　弐ノ型”と、炭治郎の必殺技で自分を鼓舞し、飛び込んだんです。

　スタジオで、“『鬼滅の刃』がなかったら乗り越えられなかった”と振り返る姿に、ＳＮＳでは“ガチもんの鬼滅ファンじゃん!!”と大好評でしたね。その後、２月にはフィンランドで似たようなチャレンジをした際に、おなじく炭治郎の名セリフ“俺は長男だから”を引用して、飛び込みました」（前同）

■インタビューでも鬼滅を深く語る

　１９年１２月２０日に『文春オンライン』で行われたインタビューで鬼奴は、「主人公・炭治郎で印象深いシーンは？」という質問に、

「炭治郎が『オレは長男だからガマンできる』って言うところですね。この間の『世界の果てまでイッテQ！』のロケが死ぬほど辛かったんですけど、その言葉を胸にがんばりました(笑)」

「ロケで一緒だったおかずクラブのオカリナも長女で『鬼滅』読者なので、2人で『長女だからガマンできる』って慰め合って、炭治郎がバトルで使う『水の呼吸』をマネして乗り切りました」

　と話していた。

　鬼奴には、これからも鬼滅の教えを胸に、『イッテＱ』を頑張ってほしい!!