縄文時代へのタイムスリップを通して描く「若者の持つ可能性」 (2/3ページ)

新刊JP

――舞台は群馬県の嬬恋付近です。この舞台設定はいかがでしょうか。

水之:実は私、大学教員をしていまして、ペンネームでこの本を執筆しているのですが、舞台設定は大学のゼミで学外に出ていって授業を行うという試みをしたことがありまして、そこで大学との縁から群馬県の嬬恋村に協力していただいたんです。

嬬恋では学生が地域活性化のお手伝いをさせていただくということで、0から企画を立ち上げて、実践していってもらいました。巻き込んで進めていくためには、現地の人を説得しなければいけないとか、さまざまな苦労があるわけですね。

そういったことを実践して、今、日本が求めているような社会に役立つ人材を育成するという試みを嬬恋でやり始めたんです。この物語のように、大学生が子どもたちとともにキャンプをしたり、スキーに連れて行ったりという企画も全部学生たちが企画をして。その経験をこの小説に入れたわけですね。

――そうした活動を物語のモデルとしたわけですね。

水之:そういうことです。実際、嬬恋の笹見平には縄文式の竪穴住居が作られていて、以前は宿泊施設になっていたので、そこでキャンプをしたことがあるんです。それがまさに小説の最初のシーンのモチーフですね(笹見平縄文の里は、現在は閉館)。作中では、一夜明けたら時代が変わっていたという展開になるのですが。

もう一つは嬬恋村の文化遺産や自然の豊かさですね。浅間山もありますし、小説の素材になるようなものがたくさん潜んでいます。タイムトラベルものだけでなく、他の題材でも書けるように感じますね。

――キャンプに来た大学生と中学生のグループは夜、轟音を耳にして、縄文時代にタイムスリップしてしまう。その中でグループリーダーを務める林という青年が本作の主人公の一人になりますが、彼の成長が物語の一つの主軸です。

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