共通点は”境目”!妖怪たちのいるところってどんな場所?見知らぬ間に出会ってるかも…

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共通点は”境目”!妖怪たちのいるところってどんな場所?見知らぬ間に出会ってるかも…

妖怪は、さまざまな場所に現れます。しかし、一見でたらめな出現場所に見えても、現れる場所や条件には規則性があるといわれています。

では、いったいどんな場所や条件で妖怪は現れるのでしょうか。

①山や川、海など人里と切り分けられる自然界 「河童」鳥山石燕画

「河童」鳥山石燕(Wikipediaより)

妖怪の多くは、自然が豊かな山や川、海などに現れます。河童や妖狐、天狗や濡れ女、海坊主など、有名な妖怪の多くが自然の中に存在していると言ってもいいでしょう。

②峠や辻、橋の上などの道と道の間 「橋姫」鳥山石燕(Wikipedia)

「橋姫」鳥山石燕(Wikipediaより)

人が引いた道の上にも妖怪が現れることをご存じですか?

例えば峠には見越し入道や油すましが現れ、人を脅かすことに精を出しています。辻には辻神という魔物がおり、出会うと災いをもたらすそうです。また、女神とも鬼女ともいわれる橋姫は、その名の通り橋の象徴で、橋の上で他の橋をほめると恐ろしい目に合うといわれています。

③夕方やお天気雨など、時間や天気の変わり目 「逢魔時」鳥山石燕(Wikipediaより)

「逢魔時」鳥山石燕(Wikipediaより)

夕方は、別名逢魔が時(おうまがどき)と呼ばれています。暮れ六つ、酉の刻とも呼ばれるこの時間は、現実世界から異界へと変わっていく時間であり、魔物に会いやすい時間だと警戒されてきました。

お天気雨は別名を「狐の嫁入り」といい、妖狐が婚礼を行っているのだと信じられています。

共通点は「境目」であること

山や川、海などの自然界は人里から離れており、一歩踏み入れると景色ががらっと変わります。峠や辻、橋も道と道の切り替わりの場所であり、夕方は昼と夜、お天気雨は晴れと雨の境目です。

日本には古来より、異界である常世(とこよ)と、現実世界の現世(うつしよ)という概念があります。この二つの世界は分かれており、普段はほとんど行き来ができません。

しかし、物事の境目は常世と現世があいまいになり、行き来が可能になります。そのため、魔が現実世界に現れやすいとされてきました。

『百鬼夜行絵巻』 作者不詳(室町時代)

「百鬼夜行絵巻」 作者不詳(Wikipediaより)

このように妖怪は、何かと何かの境目に現れるといわれています。特別な場所や条件などはほとんどなく、例えば道の角を曲がるときや、家の玄関を開けたときなども、出現条件に当てはまるのです。

境目にはご用心。もしかしたら、知らぬ間に妖怪に出会っているかもしれませんよ。

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